2010年11月23日火曜日

大学時代までJEANS MATEで服を買っていた俺が、ヨウジとギャルソンを愛好するようになるまで。(1)

なんかね。最近、終着点に来たような気がしてるんだ。

好きなブランドも、好きなスタイルも、すっかり固まってきた。

ヨウジ・ヤマモトと、コム・デ・ギャルソン。自分が本当に好きで着たいのは、この二つのブランドの服であって、それ以外ではない。

現にこの記事も、ヨウジのスニーカー、ヨウジの靴下、ヨウジのパンツ、ヨウジのTシャツ、ヨウジのニットにヨウジのキャスケットを身に付けて書いている。カバンでさえヨウジだ。

今さら新しいブランドやスタイルを開拓したいとも思わない。だから一種の最終地点に立っている心持ちなんだ。

服は自分にとって、そわそわしたり、わくわくしたりする対象だった。もちろん、今でも好きな服を着ることはとても気分がいい。

でも、自分の中で何かが変わってきてる。たぶん自分の中で一通り探求が済んで、落ち着いてきたからだと思うんだよね。もう「この先は何があるんだ?」って感じじゃないんだよね。

思えば遠くまで来たもんだ。だって、よく考えてみりゃ大学時代までJEANS MATEで服を買ってたんだぜ。それが大学卒業から6年たった今、パリ・コレクションに出展するブランドの服で全身を固めてるわけだからね。

ここにたどり着くまでには莫大なお金を使ってきたし、その過程で色んなことを考え、学んできた。それらを少しでも追体験してもらえればと思い、この文章を書くことにした。

これから、大学時代から今に至る10年間の俺のファッション遍歴や、その過程で何を学び、どうやって考えが変わっていったのか、包み隠さずに回想していきたいと思う。



大学に入った最初の頃は、上下ジャージで通学していたのを鮮明に覚えている。

ジャージって言っても、普段カチっと決めてる人が今日はあえて外してみました、そう、あえて、ね。みたいなのとは違うよ。そもそもカチっと決めてることはなかったし。

あれは、アウトレット・モールで、B級品かなんかで格安になってたアシックスのジャージだった。そうそう、家族で行ったんだよ。アウトレットに。たしか"RECORDER"と胸のところに書いてあった。安かったから白と紺の二色買ってたな。一着数千円だった。

サイズは若干でかめだった気がする。だってその頃はサイズに関しては「ちょっとでかいくらいが楽でいい」くらいにしか思ってなかったから。

大体あの頃って、試着なんてまともにしてないから。何となくLを買っていたね。でも、ブランドによって同じサイズでも大きさって違うじゃん。場合によっては同じブランドでも服によって若干違ったり。だから、買ってみたはいいけどちょっときついな・・・なんてこともあった。

え、店に行ってサイズを交換してもらう? できるわけないでしょ。なんでか分かる? 理由は二つある。まず一つは、店員さんにそういうことをお願いする勇気がなかったのよ。店員と話すのは怖いし、話しかけられたらどう対処すればいいのか分からない。

もう一つの理由は、さ。そもそも当時の俺の体型だと、俺が買うサイズが最大の場合が多かったんだ。体重が70キロ以上あって、お腹も出てたからな。若い人向けでおしゃれを標榜するようなブランドから門前払いを食らうか食らわないかという、ギリギリの線だった。

だから、それは大きなコンプレックスだった。お洒落に興味はあって、一歩その世界に踏み込みたいんだけど、自分の体型が気になって踏み込みきれないというつらさはあったね。

店員と接触することの怖さには、自分の体型への負い目も寄与していたと思う。店員に薦められた服を試着しようとしたら自分に合うサイズがなかった、なんて姿を想像してみ。

そういう体型のコンプレックスもあったし、ブランドも何も分からなかったし、おまけにお金もなかったもんだから、ロクなブランドは見ていない。

どこで服を見てたかっていうと、主には上に書いたようにアウトレット・モールだったり、JEANS MATEだったり、横浜VIVREの上の方の階にあるセレクト・ショップだったりした。

それらの店の共通点は、店員に絡まれる心配がほとんどないこと。寄ってくる店員とのやり取りにおびえることなく、自分で選んで買える。最高だよね。店員が話しかけてきそうな店では、イヤフォンで音楽を聴いたり、早足で店内を回ることで接しなくていいように細心の注意を払っていた。

大学時代は、ちょくちょく服を買ってはいたけど店との関係はそんな感じだったよ。

あと思い出した。面白いTシャツが好きだった。面白いというのはネタとしてね。特にCUNEというブランド。猫のキャラクターの下にカタカナで「ブッコロス」ってプリントされてんの。

ああ、あとひどかったのが、黒いTシャツで前面にでっかく"JUST SAY FUCK"と白で印字されてるのも着てたことがあったね。今じゃ絶対着られないわ。

Tシャツ以外では常にジャージ上下じゃなくて、さすがに他の格好もしていた。たとえばVIVREで半額になっていたリーバイスの白いジーンズに、同じくVIVREで買ったGOTCHAというブランドの青いジャージとか。アウトレットで買ったナイキのチノパンに、JEANS MATEで入手したairwalkのトレーナーみたいなの、そしてその上に同じくairwalkのブルゾンみたいなの。合わせとかは今考えるとめちゃくちゃだよ。

あの頃は、ネタ的な意味で奇抜な服を身に付けて、他の人から面白いと言われるのが嬉しかったね。まあ、その感覚は大学時代で終わりではないんだけど。

うん、大学時代はそんな感じよ。(続く)