2013年1月19日土曜日

立ち上がり

渋谷にヨウジの春夏立ち上がりを見に行った。

あまりお金がないのもあって今季はそれほど気乗りしていなかったのだが、実際見てみると心が躍った。やっぱ自分は服が好きなんだな、ヨウジが好きなんだなと思った。

ボーダー柄のTシャツが何種類もあった。そのうちの一つは、「セントジェームスみたいなTシャツを作ってくれ」という山本耀司の指示(暴言)に基づいて作られたと店員さんが教えてくれた。シーズンの度にこういう小ネタを教えてくれるのはありがたい。

コレクション・ラインのアイビー・ルックを二種類と、スーツ・ラインのスーツを試着した。アイビー・ルックはジャケットがピンク、青、緑があって、ピンクと青を着てみた。パンツはそれぞれコレクションのルック通りで。

迷ったが、スーツを買った。スリーピースで、グレーで、ベストの背中とジャケットの裏地に赤い柄が入っているけど、柄と色が渋くて悪目立ちしない。

前々からスーツが欲しいと思っていた。4年くらい前から着ていて傷んでいるのが2着くらいあるので。アイビー・ルックは、仕事で着ると「お洒落すぎる工場勤務者」(「美しすぎる市議会議員」のようなもの)になってしまうので止めた。

「セントジェームス(風)Tシャツはどうですか?」と聞いてきた店員さんに「セントジェームスで買います」と返したら「予想通りの反応です」と笑っていた。この店員さんとは、もう6年間の付き合いだ。

青山に歩いた。「やんも」で焼き魚を食べようかと思ったが、「シタラ」に入った。以前から気になっていたインド料理屋だが入る機会がなかった。日々の生活で、何か新しいことをするというのを大事にしていきたい。入ったことのない店に入ってみるという小さなことでも。「今までとは違った経験」を自分の中に蓄積していきたい。

Wカレーセット1300円。カレー二種類は、スパイシー・チキンとフィッシュを選んだ。青山化された上品な味。悪くないけど少し物足りなかった。わざわざ青山に来て食べるほどのものではなかった。テーブル備え付けのアチャールが嬉しい。食後のラッシーが、カルダモンが効いていて美味。

数年ぶりに竹下通りを歩き抜けた。ニヤニヤしながら写真を撮る白人観光客たち。B系洋服屋の客引きらしきヘラヘラした黒人たち。大量の子供たち。以前来たときほど混んでいなかった。

新宿。整体。月一で通い続けてきたおかげかここ数ヶ月、身体のコリをそれほど感じることなく過ごせていた。ところがここ最近急激に背中や首のあたりが痛くなった。

「お正月はゆっくりされましたか?」
「ゆっくりできました。でも食べ過ぎて・・・」
「そうですね。お腹を触っていると前よりも大きいです」
「・・・」
「すぐに戻りますよ。元が締まっていますから」

年末年始は本当に食いすぎた。苦しかった。そう、自分にとっての適正を超えてたくさん食べるというのは快楽ではない。岡田斗司夫氏が『いつまでもデブと思うなよ』で説かれていたように(うろ覚えで手元にもないから正確な引用ではない)、痩せるのに食事量を減らして空腹を我慢する必要があるのと同様、太るのにもお腹をいっぱいにしてその苦しみに耐えなければならないのである。70キロの人が60キロに落とすのがきついのと同じように、60キロの人が70キロの人並の食事をするのも苦痛を伴うのだ。満腹感と幸福感を結びつけるのは間違っている。成長期の子供ならいざ知らず、大人にとっての満腹状態は祝福ではなく呪いと受け止めるべきである。

身体の左側よりも右側が圧倒的にこっていて、骨盤が歪み、脚も右側が開いていたらしい。しっかりハードにやってくれた。終わったらぐったりしてそのまま明日まで寝ていたいと思った。店を出て少し歩いたら平気になった。

整体にしても四川料理にしてもそうなのだが、痛み(辛さ)と気持ちよさ(おいしさ)が融合する地点があって、そこが真の快楽なのである。会社の後輩に解説したら気持ち悪がられるだろうなと思いながら新宿の街を歩いた。

山手線に乗っていると、小太りの男が書いた黄色い本の宣伝がやたらと目に付いた。後で池袋東武の書店に行ったらレジの近くに大量に平積みしてあった。手に取らなかったが、半年後にブックオフで100円で並びそうな臭いを発していた。竹中夏海氏が最近出したというアイドル・ダンス論の本を探したが本屋では見つからなかった。

池袋で歯医者に行った。一連の治療が、ようやく終わった。最後の一本を治すのに4回くらいかかった。

ザ・ガーデンでヨーグルト飲料を買って飲んだ。レジ列に並んでいると後ろのおばあさまが何度もごつごつぶつかってきた。こういうご老人、たまにいる。場所(国)によってはスリと疑われるのではないだろうか。

家で、月曜日に作ったボロネーゼ・ソースを温めてスパゲッティで食べた。月・火・水・木・土と食べた。あと一食分残っている。

セロリ二分の一と卵二つで『大好きな炒めもの』(ウー・ウェン著)のp.74に載っている「セロリ卵」を作った。4回目なので最初よりはだいぶうまく作れるようになった。『大好きな炒めもの』は良書である。特に回鍋肉は、自分でこれだけおいしいのが作れるのかと感嘆した。

Robert Glasperの"Black Radio Recovered: The Remix EP"をiTunesで再生しながらこの記事を書いた。このアルバム(6曲だからミニ・アルバム?)、アマゾンで900何十円かだったので何となく買ってみたけどすごくよい。

数日前に届いた『冷たい熱帯魚』のBlu-rayを観たい。明日観るか。