2012年1月15日日曜日

偉い人、面白い人、正しい人(配布資料)

(2012/1/14、慶應義塾大学古石研究会合宿で話したときの配布資料)


1.     どのような人が人に影響を与え、人を動かすのか?

「コミュニケーション」とは何か?
×自分の言いたいことを伝えること
○とって欲しい行動を相手に取らせること
→人を動かして、はじめて「コミュニケーション」と言える(杉田敏、『人を動かす!話す技術』、PHP新書)

説得の三要素(アリストテレス) 
方向性
Ethos(権威)
偉い人
Pathos(感情)
面白い人
Logos(論理)
正しい人


2.     「偉い人」にはあやかりたい

仕事の依頼や問い合わせ
部署Aの担当者→部署Bの担当者 「できません」
部署Aのマネージャー→部署Bのマネージャー 「できる」
部署Aの担当者→部署Bのマネージャー「できる」「やれ」→部署Bの担当者 「はい」

同じ発言でも、平社員が言うのと、課長が言うのと、部長が言うのと、社長が言うのでは、意味も効果も大きく異なる!(香西秀信、『論より詭弁 反論理的思考のすすめ』、ちくま新書)

(^o^) o(金、権力、権限、権威に人は正直!)

(>_<)o(表面上は服従しても、陰では悪口を言いまくっているかも?)


3.     「面白い人」の言うことは気になる

書店でどんな本を買いますか?

 
関心
購入
最後まで読む
偉い人の書いた本
面白そうな本
正しそうな本

「メディア・リテラシー」「批判」「論理」は一つの正しさを追い求め、既存の考えを破壊するが、新しい考えは生み出さない。「正しさ」だけでなく「面白さ」が必要!(パオロ・マッツァリーノ、『つっこみ力』、ちくま新書)

(^o^) o(自発的に「やってみよう」と思ってもらえるかも!)

(>_<)o(「面白さ」には強制力がない。面白いからといって行動するとは限らない)


4.     「正しい人」には逆らえない

NHK「受信料支払いは義務です」「NHKは皆さまからの受信料で支えられています」

論理は、価値観を共有して初めて意味を持つ

Welfare:福祉(平等)
Freedom:自由
Virtue:美徳
Michael Sandel, Justice: What’s the Right Thing to Do? Penguin 邦訳:マイケル・サンデル(著)、鬼澤忍(訳)、『これからの正義の話をしよう』、ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

(^o^) o(逆らったら「悪い人」になるから従わざるを得ない!)

(>_<)o(「正しさ」は一つじゃない。「正しい」からといって相手が心から納得するとは限らない。スキを見せればここぞとばかりに攻撃されるかも)

Discussion

レポート・論文を「偉く」するには?
レポート・論文を「面白く」するには?
レポート・論文を「正しく」するには?

ありがとうございました。