2012年10月24日水曜日

2012年10月17日~23日 日記

2012年10月17日(水)

・人間、慣れ親しんだ状態から脱するのは、楽ではない。たとえ大変だとしても、不満だとしても。考えるのでさえ労力を使う。だからみんな、文句を言いながら会社に留まる。

2012年10月18日(木)

・昨晩8時半頃に寝て、今朝6時過ぎまで寝ていたのに、まだ寝足りない。すっきりしない。ここ何日か、日中ややぼーっとする。仕事中に眠くなることはないけど、何か妙な感じ。季節の変わり目だからか。

2012年10月19日(金)

・社食でラーメンの列に並んでいると、厨房では麺をほとんど水切りしないで丼に入れていた。少しげんなりした。この食堂は、カレーうどんを頼んだら器からこぼれそうなくらいつゆを入れてくる。

・人は、何かの問題があるとき、自分がその原因かもしれないという考えにはなかなか思い至らない。これが問題だと声高に叫ぶ人自身が、その問題を作り出していることがある。

・他人を批判することで、自分の正しさを証明することはできない。Aを否定することで、非Aを肯定することはできない。

・現状への不満を言うばかりで脱却のための行動を一切起こさない人は、愚痴っている状態が無自覚に心地よいのだろうと思う。そこまでの人だったということだ。

・「…さんは新たなチャレンジを求めて退職されます。」ある派遣社員の退職が、その上司から事業部全体への一斉送信メールで知らされた。その派遣社員自身が、自分がいなくなることをそのメールで初めて知ったらしい。

2012年10月20日(土)

・7時頃に目が覚めた。朝一で山に行く気分ではなかった。午前中は洗濯や掃除をして、昼に「ベリカフェ」でいつもの銀鮭の粕漬けを食べてから、坂本真綾の『モアザンワーズ』と奥山真司氏の『1時間でわかる!ミアシャイマーの理論』を聴きながら山に向かった。いつものコースを歩いた。駅前の豆腐屋で豆腐を買った。スーパーで挽肉と長ねぎを買った。家の玄関に荷物を置くや否や近くの温泉に行った。本三冊とCD一枚の再配達を受け取った。夕飯に麻婆豆腐を作った。料理を作るのは好きだが、たった一皿の料理を作るのにあれだけの洗い物をしなければならないのには閉口する。



・山を歩いていると、季節の変化を感じることが出来る。夏にあれだけうるさかったセミの鳴き声はぱったりと止み、秋っぽい虫の鳴き声に変わった。蚊やコバエはまとわりついてこない。夏が終わりかけるとともに大量発生した蜘蛛は、数週間でほとんど見なくなった。まだごく一部だが、木々の葉っぱが赤みを帯びてきた。暑くもなく、寒くもない。この時期は本当に気持ちがいい。でも、知らず知らずのうちに会社のことを考えてしまう。

2012年10月21日(日)

・園子温氏の『非道に生きる』読了。園氏の生い立ちや作品の裏話、映画に対する思い、表現者としての姿勢。園監督の作品を一つでも観たことがある人なら楽しんで読めるだろう。小学生時代のエピソードがはちゃめちゃで面白かった。



・昼飯。池袋「逸品火鍋」で初めて「黒酢豚」の定食を食べてみた。悪くはないが、回鍋肉と火鍋の完成度には敵わない。

・新宿で映画『希望の国』を鑑賞した。震災が起きてからしばらく自分の中にあって、忘れかけていた感情を、ほじくり返されて、目の前に晒された気分だった。

・新宿ピカデリー近くの書店でオルテガの『大衆の反逆』を買った。大学時代に読んで、とても印象深かった。あまり内容は覚えていないが、とにかく文章から伝わってくるオルテガの頭のよさにしびれたのを覚えている。ふと再読したくなった。あと何冊か新書で気になるのがあったけど、読みかけと積ん読中の本がたくさんあるので買うのは止めておいた。本屋さんをぶらぶらして紙の本を物色する楽しみは、アマゾンとKindleで満たすことはできない。



2012年10月22日(月)

・土日は平日と別の人生かと思うくらいリフレッシュしまくるので、月曜の朝、今日は会社に行かないといけないという現実をすぐに思い出せない。いっそのこと、寝たまま平日が終わらないだろうかと一瞬思ってしまった。

・夕飯は、半額の肉と半額のマッシュルームを使ったチャーハンで簡単に済ませた。味覇(ウェイパー)万歳。

2012年10月23日(火)

・思ったことややったことを書き残さないと後からその日に何があったか何も思い出せないくらい平日が無内容。

2012年10月18日木曜日

2012年10月10日~16日 日記

2012年10月10日(水)

・上海に勤める中国人と電話で仕事の話をするついでに「日本車が壊されるのを見たか?」と聞いたら「報道で見たことはあるが、実際に見たことはない。上海の人たちは理性的。街は正常。一部の中国人たちは日本を叩くために中国人が作った製品を壊している。馬鹿」と言っていた。「逆に日本の状況はどうなんだ」と聞かれたので「よく中華料理屋に行っているが何も問題がない」と答えた。

2012年10月11日(木)

・引っ越してから、Twitterに投稿する回数が減った。電車通勤がなくなったのが大きい。

2012年10月12日(金)

・うちの会社は評価によって毎年基本給が変わる。2年連続で月給が3万円減った40代の妻子持ちが「バイトをしないと真剣にやばい」と虚ろな目で言っていた。

・『ワクテカ Take a chance』の初回DVDのビデオクリップ三種とも見たけど、どれも似通っている上にあまり好きじゃない。この曲に関して言えば、たとえば真上から写したダンスショットとか見てみたかった。曲は大好き。ハロプロのビデオクリップはdance shotに限る。Dance shotだけを集めたBlu-rayが欲しい。



・うちの会社は評価によって毎年基本給が変わる。2年連続で月給が3万円減った40代の妻子持ちが「バイトをしないと真剣にやばい」と虚ろな目で言っていた。

・人事評価は、評価者の主観が大きな割合を占めざるを得ない。理不尽かもしれない。不透明かもしれない。納得できないかもしれない。だが、そこに救いがあるのもたしかだ。仮に客観的な手法で自分の無能さを証明されたとして、それは幸せなことだろうか。一方、客観的に優秀な人というのも定義が難しくて、結局は評判がいい人(多くの人が主観的に高く評価している)のことではないだろうか。

2012年10月13日(土)

・起きている時間のほとんど、予定が入っていた。朝8時半から11時半までハイキング。昼食(銀鮭の粕漬け)。3時から吉祥寺でカットとパーマ。6時から池袋で友人と呑み。家に帰ったのは夜11時前。

・池袋「揚2号店」で友人と呑んだ。こいつとしか出来ない、仕事の話(というか会社の話)をたくさんした。こいつとしか出来ない話がある。勇気づけられる情報をもらった。ありがとう。料理も抜群にうまかった。

・『ワクテカ Take a chance』で一番好きなのが「青春を無駄にするんじゃない」で道重さゆみが語尾をしゃくる部分。

2012年10月14日(日)

・土日は片方だけ東京に出ることが多いが、今週は日曜日も東京に出かけた。仕事に使えるいいシャツを、すぐに買いたかったのだ。BLACK FLEECEが欲しかったので伊勢丹に行った。シャツ売り場をざっと回ったが、BLACK FLEECEが群を抜いていた。約2万円。機会があれば、BLACK FLEECEでジャケットやパンツも一式揃えたい。仕事の服はPaul Smithを卒業してどこに着地すればよいのかずっと分からなかったが、BLACK FLEECEを着こなせるようになったら格好いいよな。

・伊勢丹メンズ館を見てから西武に来ると、格の違いを感じる。伊勢丹では、服を見る喜びを感じることが出来る。西武に見るべきところは少ない。

・土曜のフル稼働に加えて今日も外出したので、疲れた。温泉に入った。再認識したが、家の近くに温泉があるというのは何という恵まれた生活環境。

・その時に思ったことは、その時に書いて残しておかないと、忘れてしまう。もちろん、後から思い出して書くことは出来るが、言葉の鮮度は落ちる。その日のうちに書く日記と、数日後に振り返って書く日記は異なる。

・電動歯ブラシで歯を磨きながら電気シェーバーでヒゲを剃っていたら歯ブラシとシェーバーの動作音がハモってるように聞こえた。

2012年10月15日(月)

・「とん亭」がカキフライを始めていた。大粒の牡蠣が、たっぷり5個。これで800円。

2012年10月16日(火)

・過去にホンダに勤めていた方に聞いたのだが、本田宗一郎は怒ると社員に殴りかかってきたりスパナを投げてきたりしたこともあるらしい。もちろん今の時代にそんなことはできないだろう。ただ、きれいごとではないリーダーシップというのはそういうものなのかもしれない。ある人がリーダーかどうかと善人かどうかは別問題だ。

・サッカー親善試合、日本対ブラジルをテレビで観た。ドラマとしてはフランス戦の方がよかったが、サッカーの試合としてはブラジル戦の方がずっと面白かった。ブラジルは憎らしいほどに速く、抜け目がなく、効率がよかった。

2012年10月10日水曜日

2012年10月3日~9日 日記

2012年10月3日(水)

・週一度「太田ホルモン」に行くのが止められない。カシラ、皮、つくね。悶絶するうまさだ。しょうゆ味Sサラダというのを初めて頼んでみたが、いまいちだった。辛みそ味フレッシュサラダの方がはるかにうまい。

2012年10月4日(木)

・数ヶ月なかった人の組み合わせで、呑んだ。外の席だったがそれにしてもバッタやゴキブリが次々と。ゴキブリを、二匹踏み潰した。店主によると、ヤマトゴキブリという品種らしい。

2012年10月5日(金)

・最近の朝ごはんの、定番。卵かけご飯と、コーヒー牛乳。早く出来る。おいしい。洗い物が少しで済む。あと一品くらい欲しいけどね。ちょっとした魚とか。

2012年10月6日(土)

・苫米地英人氏の『30代で思い通りの人生に変える69の方法』を読み終えた。自らの体験を元に多くの極論を飛ばしている。あそこまで特殊な学歴と経歴を持つ天才的な人物が「私がこうだったから」と言っても、普通の読者には説得力に欠ける。久しぶりに苫米地氏の本を読んだが、依然ほど納得できない。著作を乱発するにつれ本のつくりや論理が雑になってきた気がする。ただ、それでも学べることはあるし、この人の言うことには耳を傾けたいと思う。



・洗濯物を干そうとしたら物干しざおに蜘蛛の巣が張ってい目の前にでかい蜘蛛がいた。よく山で見るやつだ、この蜘蛛。数秒後に「クモの巣ジェット」を噴射した。棒状の何かを探したらキッチンペーパーの芯があったのでそれで巣を取り除いた。糸がぷちって切れるときの、達成感と不快感が入り混じったあの気持ち。

・つんく氏の新曲が発売して最初の週に280枚しか売れなかったらしい。プロデュースを手がけるアイドルたちに比べて、販促があまりに手薄だ。握手券が付くのであれば、喜んで買う。というか、氏が重大発表をするために登場するときに流れるあの仮歌のアルバムを早く出してほしい。絶対に買う。

・ヨウジを見に行った。ブランケット生地シリーズでロング丈のジャケットは、「地雷」(2chのファッション板用語)と言って差し支えないほど難しかった。あれを着こなせる人は相当の上級者だ。首周りと肘に付いているファーが難点。いわゆるお兄系(トルマとか)ぽい。試着したが、袖を通し切る前に自分には無理、似合わないと分かった。ファーの付いていない、黒いブランケット生地に白いステッチが入ったジャケットを買った。これで今季は買い納め。

・モーニング娘。DVD MAGAZINE 45を観た。抜群に面白かった。

・最近、家に戻るときは池袋からTJライナーを使うことが多い。夜の風景を見ながらジャズ(Kenny Barronの"Minor Blues")の世界に浸っていると、ここが埼玉であることをしばらく忘れることが出来る。



2012年10月7日(日)

・伊勢丹メンズ館を見に行った。ヨウジの売場が2階の隅っこに移動し、前にも増して狭くなっていた。

・中野サンプラザでモーニング娘。のコンサートを観た。下はヨウジの黒サルエルパンツ、上は道重一筋Tシャツ。初めて一つのツアーを二度観たけど、初めて観たかのように楽しく、時間があっという間に過ぎた。前回(座間)は二階の後ろから二番目、今回は一番後ろの席だった。一階の前の方の席では、どういう景色が見えるのだろうか。後ろでも最高に楽しいけど、いつか前の方で観てみたい。2階の一番後ろからでも道重さゆみの可愛さが伝わってくるのだが、前の方では一体どうなってしまうのだろうか。

・4月から職住近接の人生実験をしてきて、分かったこと。1.通勤時間を短縮するといいことだらけだ。無駄な時間と体力の浪費をなくすことができる。2.会社の近くに住むのは通勤ストレス等の不満解消にはつながる一方、それ自体が仕事の満足度を高めてくれるわけではない。3.ワークライフバランスと言ったところで、いくら通勤時間や残業時間を削減しても、一日の元気な時間の大半を仕事に費やすことに変わりはない。

・数ヶ月ぶりにクローゼットから出したヨウジのシャツが、黄ばんでいた。調べたら、クリーニングの袋に入れたまま放置していたのが原因っぽいことが分かった。過去にはクリーニングの後は袋から出していたのだが、どういうわけか今回はそのままにしていた。シャツはすべて袋を外した。シャツ以外にも袋に入ったままの服がいくつかあったので、ビニールを破いて外に出した。

2012年10月8日(月)

・映画『最強のふたり』鑑賞。過剰さがなく、落ち着いて観ることが出来た。右隣に座ったじいさんが臭かった。最近気付いたんだけど、世の中って結構臭い人多いよね。

・ヨウジのシャツを白洋舎に持っていって相談したら、黄ばみは直らないと言われた。次の第一月曜日(古着の収集日)に捨てよう。持っていた5枚のヨウジのシャツが使えなくなった。残念だ。

・昨日の夜に事態を把握し、今日の昼には答えを出すことが出来た。悩む時間を最小限に抑えられたことには満足している。気に揉んだまま決断が出来ない状態というのが一番無駄。人生のもっと大事なことも、これくらい合理的に判断できるようになりたい。

・自分が、服好きにも関わらず、服の保管について基本的なことを知らなさすぎた。恥ずべき。今後は、同じ間違いはしない。クリーニングから返ってきた服は必ず袋から出す。それ以外の対策はこれから調べて実行する。自分という人間は、手痛い間違いをしないとなかなか学ぶことができない。

・喪失はあまり感じない。なぜだろう。以前に比べてモノへの執着心が減ったからもしれない。もしくは、毎シーズン服が増えていって、必要以上に持っているという認識が頭のどこかにあるからかもしれない。

・いくら高級であろうと、究極的には、あらゆる服は消耗品だ。

・あるコンサルタントと雑談していたら「作家というのは深い人生経験がなければいけない」と言っていた。そのときは、そうだよな、と思った。でも今思い返してみると、その人は新卒でいきなりコンサルタントを始めており、事業会社に勤めた経験を持たない。そのコンサルタントに「コンサルタントというのは深い実務経験がなければいけない」と言ったらどう切り替えしてきただろうか。

・他人のことや、自分が就いていない職業についてであれば、誰でももっともらしいことが言える。いくら仕事ができない能なし社員でも、上司や同僚を批判するときは意外と的確なことを言ったりする。それがコンサルタントという職業が成り立つ一つの理由かもしれない。

・数ヶ月ぶりに和光市に行った。クリーニングを出した後、二葉鮨でお昼ご飯を食べた。大将はまだ私のことを覚えてくれていた。その後、よく行っていた喫茶店に入って、ポメラで日記を書いた。今週、まったく書いていなかった。

・8月からこの形で日記を投稿しているが、特に最近は来訪者が少ない。直近の記事は一桁だ。それでいい。数人でも見てくれれば十分。自分だけが読者でもいい。私が書きたい日記というのは、ブログすらが流行る前にSFC生のみんながやっていた、内省的で、誰の得にもならないあの「日記」なんだ。

2012年10月9日(火)

・会う度に会社や上司の文句ばかり言う人がいる。いつも疲れ果ててふてくされているように見える。ただの態度や言葉を通り越して、もはや顔とか歩き方とか、その人そのものに染み付いてしまっている。今の会社を饒舌にけなす割に、転職活動を始める気配すらない。格好悪い。

2012年10月6日土曜日

2012年9月26日~10月2日 日記

2012年9月26日(水)

Twitterで面白い記事が流れてきた。出社前、あまり甘くない桃にかじりつきながら家で読んだ。
会社に向かっている最中、頭から離れなかった。"As a Man Thinketh"を読んだ後にこの記事を読むと、色々考えてしまう。

異色座談会 年収3億円×年収300万円 開成→東大 同じ学歴でもこんなに違う生活と考え方

考えの違いが境遇の差を生むのか、もしくは境遇の差が考えの違いを生むのか。両方か。"As a Man Thinketh"によると前者。でも、人の考えはその人自身の過去や現在を正当化する方向に発展するのもたしかだ。

"As a Man Thinketh"は、記述に具体例や根拠が欠けているのが不満だった。でも、よく考えたら自己啓発本というのはそういうものだ。自己啓発は、信じるか信じないか(もしくは信じられるか信じられないか)の世界だ。信じる人からすれば救いであり、信じられない人からすればいかがわしいトンデモ理論ということになる。今の自分の自己啓発本に対する立ち位置というのはそのどちらでもなくて、一歩引いて見ている感じ。



・私はお昼に3000円の生姜焼きを食べたことがある。収入は庶民もいいところなのに出費には庶民感覚が欠けているためお金を貯めることができない。

2012年9月27日(木)

・神経を使って集中した。

2012年9月28日(金)

・仕事の山場を乗り越えた。だいぶ気が楽になった。

・奥山真司氏の『世界を変えたいなら一度"武器"を捨ててしまおう』を読んで講演を聞いてからというもの、少しずつ「戦略の階層」というフィルターを通して世の中が見えるようになってきた。会社でも、この人は組織上の階層は上の方なのに「技術」階層の話ばかりしてるなあ、等と気になるようになった。

・『すごプレ』という凄まじいPowerPoint本をぱらぱら見て、ネットで落とせるサンプル資料を鑑賞した。笑っちゃうくらい高度で面白い技法が満載なんだけど、これは外のお客さんにプレゼンする人向けだな。社内の内輪プレゼンでここまで手の込んだPowerPoint資料を用意したら顰蹙を買って自分の評価を落とすだろう。



・奥山真司氏のCD「1時間で分かるミアシャイマーの理論」を聴いた。国際関係を「ドラえもん」にたとえ、ドラえもんのことを核兵器と言っているのには笑った。ミアシャイマーの"The Tragedy of Great Power Politics"は数年前に一度読み始めたが1-2割で挫折した。素手でいきなり挑むには手強すぎた。再挑戦したい。ミアシャイマーといえば"The Israel Lobby and U.S. Foreign Policy"は7-8割くらい読んだと思うけど、なぜか最後まで読まなかったな。こちらもそのうち再読するか。







2012年9月29日(土)

・ハイキングの終盤、道路脇を歩いていたらどうやら車の中から運転手が私に何か言ってきたらしい。音楽を聴いていて気付かなかった。するとまた追いついてきた。イヤフォンを外して振り向くと図々しくも「何でさっき声をかけたのに返事しなかったんだ」と聞いてきた。中年のおやじ。「音楽を聴いてきたので」と答えた。

・その男は「そうか」と言い、今歩いている道がハイキング・コースから外れていることを指摘した。このまま道路沿いを歩いていてもつまらないからと、親切にもコースへの戻り方を教えてくれた。ここは毎週歩いてるから知ってるわボケ、とは言わず丁重にお礼を述べた。車が視界から消えてからそのままの道を歩いた。

・その男の親切新には感謝すりが、いきなり車の中から歩行者に声をかけて、普通に反応してもらえるのを当然とする彼の感覚には違和感を覚えた。よくも悪くも田舎の感覚。まず危険人物と警戒され、無視されるのが普通、というのが私の感覚。誘拐、スリ、等が頭に浮かぶ。

・山を歩きながら進路をふさぐ蜘蛛の巣を10個以上棒で破壊して気付いたが、蜘蛛の種類によって巣の強度が違うようだ。「ぷちっ」「ふぁさっ」と簡単に切れるのが大半なんだけど、一度、「ぶちっ」と切れてからも引っ張られているんじゃないかというくらいなかなか棒から取れない巣があって驚いた。でかくて強そうな蜘蛛だった。

・いつもの銀鮭の粕漬けを食べて、新宿に出かけた。この日整体に行くのを励みにここ2週間くらい仕事をしてきた。この週末くらいから秋の格好が出来るのではないかと楽しみにしていたが、まだ暑かった。夏の格好を、真夏よりは快適にできるという段階。

・昨日の午後3時過ぎにアマゾンで注文した水が、今日の午後1時前に届いた。プライム会員でもないのに。

・MC漢&DJ琥珀の『MURDARATION』を気に入っている。いいと思う一因はすべてのトラックを一人が作っている点だろうな。トーンに統一感が出る。MadlibとTalib Kweliの"Liberation"みたいに。というか"Liberation"、今アマゾンで見たら新品で650円かよ。安っ。





・やっぱ週に一度は東京に出て街をうろつくべきだわ。田舎にはない光景、空気。刺激。普段考えないようなことが頭をめぐる。さけるチーズを全力で食いながら混雑した電車に乗ってくるおっさんを見た。色んな人がいる。

・池袋「揚2号店」で夕飯を食べた。青島ビール、麻婆豆腐、水餃子。最初「グレート・インディア」に行こうかと思ったがそれだとたぶん3週連続になるので止めた。私が入店して少ししたら満員になった。それでいい。飯はうまいから食うのであって、政治的な理由で食うわけではない。ぴったり2000円だった。

・帰りの電車で副島隆彦氏の『陰謀論とは何か』を読み始めた。久々に味わう副島節にwktk。「はじめに」の冒頭3ページで既にパンチライン連発。「「と学会」・・・というよく分からないおふざけ集団」(p. 4)「・・・山本弘なる、何を職業にしているのかよく分からない不思議な人物」(p. 5)



・最近、朝7時までに起床、軽く朝食→8時半から11時半までハイキング→昼食(銀鮭の粕漬け)→東京に出かけて買い物、夕飯→夜に帰宅という土曜日フルコースのパターンが出来上がっている。満足度高いが家に帰るとぐったり。

2012年9月30日(日)

・副島隆彦氏の『陰謀論とは何か』読了。と学会へのディス、conspiracy theoryの歴史や重要人物の概観、多数の参考文献等、読みどころ満載。罵倒と自己賞賛、ユーモアを織り交ぜた副島節は2012年現在も健在。

・物凄く眠くて居眠りしまくりでほとんどまともに活動できなかった。

2012年10月1日(月)

・昨日一日中眠かったという話を二人にしたら二人とも「私もそうだった」と言っていた。最初は単なる個人的疲れかと思っていたが、台風による低気圧が関係していたのだろうか。

・あるコンサルタントから学んだこと。現状認識を吐き出すのと、どうしたいかを述べるのとでは、頭の使い方がまったく異なる。あれこれと現状の不満を話す人に、「では、どうしたいのか」と聞くと口ごもることが多い。どうしたいかは常に考えていないと思い付かない。今がどうなっているかは考えなくても言える。だから、「どうしたいんですか?」という質問はコンサルタントにとって必殺技らしい。

2012年10月2日(火)

・2-3年毎に転職して、しかも高給でいいポジションをもらい続けている奴らの存在が自分の中では謎。いわゆる「外資」を転々としている。最初から短期の契約を結んでいるんだろうか。

2012年9月26日水曜日

2012年9月19日~25日 日記

2012年9月19日(水)

・夜9時から朝の6時まで寝たのに、目覚まし時計が鳴ったとき、まだ寝たいと思った。

・「太田ホルモン」。ジンライム、串焼き(皮、つくね、若鳥、カシラ)、辛みそ味フレッシュサラダ、にこみ。1700数十円。ジンライムを少し飲んだだけでほろ酔い。軽いお酒をがぶがぶ飲むより、アルコール度数が高いお酒をちびちびやるのが好きだ。ここ何週間か続けて来ているので、そろそろ店の人に覚えられたようだ。住んでる町で、「いつもありがとうございます」と言われる飲食店が4、5軒ある。

2012年9月20日(木)

・ちゃんと眠れなかった。目が覚めたら夜中の1時くらいでがっかりした。喉が乾いている。最近、寝る前に水を一杯飲むようにしているが、それでも寝ている間に喉が乾くことが割とある。冷蔵庫から「尾瀬のおいしい水」を出して、表参道のMoMA STOREで購入したタンブラーに注ぎ、飲んだ。すぐには寝付けなかった。

・5時半、目覚まし時計のアラーム。調子の悪さに気付いた。お腹だ。身体が重い。いつもの時間には出社できない。しばらく横になって様子を見ていたが、午前休を取ることにした。そういや数日前からお腹の調子はあんまりよくなかったな。掃除をして、洗濯をして、布団を干した。家を出る前に二度、胃薬を飲んだ。

・午後出社すると、何人もの人が大丈夫かと聞いてくれた。ありがたいと思った。3時くらいに一気に大粒の雨が降ってきた。ベランダに干してある羽毛布団・・・。雨は夜から降るという予報だったし実際昼間は快晴だったので大丈夫だろうと思っていたのだが。すぐに布団丸洗いの業者を調べて申し込んだ。当日午後5時までに注文すれば翌日に発送用の袋を届けてくれるとのこと。すごい。

・家に帰ったら、洗濯物も布団も雨に濡れた形跡がなかった。会社から家まで2-3キロしか離れていないのだが。どれだけ局地的な降水だったんだ。まあ、でも雨に濡れなくても布団を洗ってもらうのはいいことだから、別に損をしたとかキャンセルしたいとかは思わないな。むしろどう仕上げてくれるのか、楽しみ。

・かなり具合が悪くて会社を休むより、少し具合が悪くて半休を取る方が、頑張っているという印象を周りに与えるようだ。前者の方が大変なのだが。

・キリコの4枚目アルバム「Greyhound」。iPodshuffleで数曲だけ聴いたが、今のところ、好き嫌い以前にそこまで興味をそそられない。Kanye Westの3枚目を聴いたときに近い感触。あの一枚を最後にKanye Westの新譜を追わなくなった。たとえるなら、寿司屋に入ってスパゲッティを出されたような気分なんだよな。そりゃたしかにうまいのかもしれないけどさ、っていう。



2012年9月21日(金)

・「やらない後悔よりやった後悔」というけど、やった後悔の方が後々までダメージが大きいのではないだろうか。過去の失敗が頭をよぎって嫌な気持ちになることはよくあるが、やらなかったことは記憶としてよみがえって来ないから悔やみようがない。

・「とん亭」でひれかつ定食1200円を食べながら、MyNewsJapanの記事を2本読んだ。パナソニックと第一興商の実態。

パナソニック元社員が語る「少なくとも私がいた部署はブラックでした」

第一興商パワハラ解雇訴訟、リストラ要員“うば捨て山”でいびられ視覚障害に 社員が語るいじめ地獄

2012年9月22日(土)

・休日出勤。朝9時から、夕方の6時前まで。終わってから、同僚二人と「太田ホルモン」で呑んだ。作業に集中できてはかどったので休出そのものはそんなに嫌ではなかったが、昼食はみんなで出前を取ったので「ベリカフェ」で鮭の粕漬けが食べられなかった。今日という一日は、その一点だけが悔やまれる。

2012年9月23日(日)

・雨の中、五反田まで奥山真司氏の『世界を変えたいなら​一度"武器"を捨てて​しまおう』出版記念講​演を聞きに行った。今後は「戦略の階層」を常に意識しながら、読む本を選んでいく。働き始めてから読書が「技術」階層に片寄りがちだったので、上の階層の勉強を増やしていく。講演会では本を読むのとは質の違う学びを得られる気がする。

・小林よしのり氏、中森明夫氏、宇野常寛氏、濱野智史氏の『AKB48白熱論争』を読み終わった。この本における著者たちの立ち位置は学者、評論家以前にあくまでも「AKB48のファン」だった。変な本だけど面白かった。少し不満だったのが、中森氏は例外としてAKB以外のアイドルへの言及があまりにも薄くて浅いこと。もちろんAKB48ファンたちの対談としてはそこは問題ではないのだが。



2012年9月24日(月)

・砂利道を歩いていると、靴の中に小石が入ってくることがある。足裏がちくちくする。靴を脱いで出してみると、数ミリに過ぎない。異物というものはわずかな大きさで多大な不快をもたらす。

2012年9月25日(火)

・夏が終わったと思ったら花粉症。くしゃみと鼻水が止まらなくて仕事に支障。会社の席に置いていたティッシュがちょうど切れた。同僚のティッシュを何十枚も使わせてもらった。

・James Allenの"As a Man Thinketh"読了。あっけないほど短い本。人生のすべては思考によって形づくられている、という主張をこれといった具体例や証拠もないまま念仏のように繰り返している。


2012年9月19日水曜日

2012年9月12日~18日 日記

2012年9月12日(水)

・残業4時間って1.5日分働いているわけだから、普通に考えておかしい。これがおかしいことだという感覚は、忘れてはいけない。

・一人、「太田ホルモン」で呑む。冷酒、にこみ、串焼き(皮、レバー、カシラ、つくね)、辛みそ味フレッシュサラダ。2060円。サラダがうまく、むさぼるように皿を空けた。キャベツにきゅうり、それと鶏肉を辛みそだれで和えているだけなんだけど、食感にも味にも無駄がない。朝が梨一つ、昼がうどん単品だったので、夜にしっかり肉と野菜をとって帳尻を合わせた。

・帰り道、ほろ酔いで聴くTalib Kweliのラップがとことん心地よかった。酒と音楽の相乗効果。クラブに行く人の気持ちが少し分かったような気がする。でも自分はヲタク気質なので一人でイヤフォンで聴いている方がいい。Talib Kweliが無償配布しているmixtape、"Attack the Block"は本当によい。『⑬カラフルキャラクター』を受け取るまでのつなぎには十分すぎる。



2012年9月13日(木)

・仕事が最近、落ち着ける状況ではないので、週の後半になると無事にここまで来られたこと、週末が近いことに安堵する。

2012年9月14日(金)

・起きた時点で疲れている。最近、起きると午前休取得が頭をよぎることがたまにある。

・リーダーシップを発揮して尊敬を勝ち得る人と、うざがられる人がいる。何がその違いを生むのだろうか?

・仕事帰りに駅前の餃子屋でつけ麺の味噌味(トッピング:メンマ)を食べながらTwitterを見ていたらモーニング娘。11期メンバーが決まったことを知った。一人。小田さくら。家に帰ってから、オーディションで歌っている姿をYouTubeで見た。何なんだろう、この人の歌声にはやけに引き付けられる何かがある。早く作品でこの人の歌を聴きたい。

2012年9月15日(土)

・モーニング娘。コンサート。初日、初回。座間。格好よすぎて感銘を受けて完全満足。非の打ちどころがない。単に誰々が可愛いとか、そういうのを遙かに凌駕した、もはや凄みを感じるんだ、モーニング娘。のコンサートって。もの凄いよ、これ。後ろから二番目の席だったが、舞台がしっかり見えて、思った以上に観やすかった。道重リーダー体制で初のコンサート・ツアーの、それも初回を見届けられて、よかった。

・隣の席の紳士と少しお話をさせてもらった。11年前からハロー・プロジェクトを応援しているらしい。教えてもらったこと。小田急線に「生田」という駅がある。小田急はすべての駅をキーホルダーにして販売しているので、小田急のグッズ店に行けば「生田」キーホルダーを手に入れることができるらしい。その方もカバンに付けていた。

・夕飯。池袋「グレート・インディア」。マトン・マサラ、ガーリック・ナン、ラッシー。1186円。ここのナンはあまりにも大きい。初めて半分の大きさにしてもらったがこれでちょうどよかった。店を出た直後、「おいしかった」と独り言を言っていた。こんな食事が出来るのは幸せだなと思った。

・一般論だが、会社で色々な部署を比較的短期間で渡り歩いている人は、たらい回しにされている可能性が高い。ばば抜きのジョーカーみたいに。いくら評価が低いからといって簡単に解雇できるわけではない。

・以前あるコンサルタントに聞いた話だが、製造が出来ない人が修理部門に回されたり、開発が出来ない人が品質部門に回されたり、みたいな話はメーカーではよくあることらしい。

2012年9月16日(日)

・山を歩いていて顔がクモの巣に引っかかる以上に不快なことはあまりない。なぜ俺らの通路に巣を作る。人が引っかかったところで巣が壊れるだけで人を食料にできるわけじゃないんだから、クモにとってもいいことはないだろうに。人が通る道のど真ん中に巣を作って人に破られるクモは、出来ないクモ。出来るクモは、人が通る道を避けて巣を作る。

・MC漢&DJ琥珀の「MURDARATION」を聴いた。久々にここまで直球でワルい日本語HIP HOPに出会った。音も漢の一枚目より削ぎ落とされ洗練されている。音がごちゃごちゃしておらず統一感もあるから、聴き疲れしない。



・高橋俊介氏の『21世紀のキャリア論』をようやく読み終えた。今日のキャリアというものを大局的に論じつつ、非常に地に足のついた具体的な内容も盛りだくさんで、一働き手として大いに納得でき、腑に落ちる内容だった。凡庸な本を数冊読んでも得られないくらいの学びを得られた。



2012年9月17日(月)

・電車の中でFrancis Fukuyamaの"The Origins of Political Order"を読んだが、悲しいことに1時間以上読んでもKindleに表示される進捗率が2-3%しか進まない。じっくり時間をかけて読んでいくしかない。



・ヨウジを見に行った。立ち上がりから取り置いてもらっていたシャツをようやく購入した。先月買って丈を直してもらっていたパンツを引き取った。シーズン前から予約していたガウンのようなカーディガンを買った。いずれも、抜群によかった。思っていたよりもさらによかった。

・山本耀司が69歳。69と刺繍された靴下を販売している。レディースでも売っているがあまり売れていない、と店員さんは苦笑していた。もっとひどいのが、胸にでっかく「69」と刺繍されたセーター。何であんなのを作ってしまったんだろうか。
私「セール行きですね」
店員さん「セールにかかってもいらないんじゃないですか? 4割引きでも結構しますよ」
私「そうですね。69% OFFにしないといけませんね」

・今季のヨウジに、光沢のある裏地を用いたチェック柄のジャケットが何種類かある。これらは山本耀司がクロレッツのガムを見てそのパッケージの色を気に入り、「ジャケットの裏地、これにしよう」と言ったからそうなったらしい。

・よく分からないけどいまいち調子が悪いようだ。帰りの電車ではほとんど本が読めず、寝てしまった。何かだるいな。電車を出ると、相変わらず、夏の暑さ。季節の配分がおかしい。一年のうち4ヶ月以上は夏な気がする。家に荷物を置いて、ポンパドウルで買ったチーズ・バタールを少しつまんでから温泉に行った。岩盤浴、露天風呂、水風呂、ロウリュ・サウナ。家に帰り、池袋西武で買ったベトナム料理をつまみながら、軽井沢高原ビールを飲み、℃-uteが出演した「ヒルナンデス」を早送りしながら観た。観終わったらすぐにHDから消した。

・田舎に住み、田舎で働くと、自分の服装に対する緊張感がだいぶ緩む。お洒落をしてみようという気持ちは失せる。こういう生活の蓄積が、よくも悪くも田舎者のメンタリティを作るのだろう。大学生の頃、徳島に住んでいた友人は当時「丸井で買った服を着ているだけでお洒落すぎて周囲から浮く」と言っていた。

・今日で3連休が終わったわけだが、今週は、土曜日は出勤。日曜日は講演を聴きに行く。今週と来週が、仕事の山場。無事に乗り切りたい。その後、整体に行きたい。

・「コミュニケーションが足りない」というのは、仕事が出来ない人の言葉だ。問題を他人に解決してもらおうとしているのだ。仕事が出来る人は「自分はこうする」と言う。

2012年9月18日(火)

・朝食にチーズ・バタールと、池袋西武で買った高めのハム(100gで420-30円だったか)と、コーヒー牛乳。ハムがおいしい。今後も買おう。

・布団で本を読んでいたらものの数分でうとうとしてしまった。時計を見ると、まだ9時だった。電気を消して寝た。

2012年9月12日水曜日

2012年9月5日~11日 日記

2012年9月5日(水)

・今朝、目覚まし代わりにテレビを付けたら、ビン・ラディン氏の暗殺に関わった人物による暴露本が出版されたと言っていた。面白そうなので早速キンドル版を買った。題名の"No Easy Day"はここ数週間の自分にも当てはまる。



・「太田ホルモン」に初めて一人で入った。白桃おろしサワー、串焼き(カシラ、若鳥、レバー)、肉入り野菜炒め。1315円。野菜をたっぷり補給できた。うちの社食は、定食ですら野菜がほとんど入っていない。社食のなかった前の事業所のときの方が、野菜を多く食べていた。昼に毎日サブウェイで野菜多めのサンドウィッチを食べていたからな。サブウェイにはもう半年近く行っていないのか。照り焼きチキンのサンドウィッチが好きだった。あとベークドポテトにアイス・カフェ・ラテ。また行きたいけど、わざわざ休日に食べに行くもんでもないなあ。

・高橋俊介氏の『21世紀のキャリア論』を読んでいる。まだ3割くらいしか読んでいないが、納得できる箇所が多く、多くを学ばせてもらっている。値段が高め(2500円+税)なだけあって、いい本だな。たしか大学時代に友人が高橋氏の本を読んでいた。『スローキャリア』という本だったと記憶している。



・最近改めて思うのが、自分は人と話すと疲れやすい。多くの人が周囲にいる状態そのものが、一つのストレス源。でも、純粋に一人でやる仕事、一人だけでできる仕事は会社の中には存在しない。組織に守られ、組織に生かされているのも事実。

2012年9月6日(木)

・キャリア前半期(30代半ばまで)には「キャリア観」よりも「仕事観」を身に付けるべき、というのが『21世紀のキャリア論』を今まで読んできて最大の学びだ。30代半ばの時点では「キャリア観」もある確立しないといけない気もするが、最初の数年は「仕事とは」というようなことをじっくり考えるのが大事だと思う。自分なりの仕事哲学。仕事への姿勢。

2012年9月7日(金)

・競技のルールを知らないスポーツ選手はいないだろう。でも、会社員は自分が参加しているゲームのルールに無頓着な人が驚くほど多い。ただ与えられたことをやって、毎日を何となく過ごしていればそのうち給料が増えるんじゃないかと、密かに期待している。みんなと同じところに住んで、同じ時間に出社して、同じような質の仕事をして、いつもの仲間と飲んで、勉強もしない人が、抜きん出るわけがない。

・ある人から見れば「生き生きしている」人も、別の人から見れば「調子に乗っている」。ある人から見れば「積極的に動いている」人も、別の人から見れば「勝手に動いている」。立場が違えば見え方も異なる。

2012年9月8日(土)

・昨晩シャワーを浴び、着替え、横になっていたら、電気を付けたまま寝落ちしていた。時計を見たら午前4時だった。やってしまった。電気を消して布団に戻った。

・朝7時頃に目が覚めた。決めていないことがあった。今日の午前中は、家でごろごろして宅急便(『AKB48白熱論争』と『円の行方を問いなおす』)の再配達を受け取るのか、それを明日に回してハイキングをするのか。いい時間に起きることができたので、歩きに行くことにした。





・いつものコース。約3時間。今日はなぜかクモが多くて、巣に何度も引っかかった。すっげー嫌だった。でも、歩くのは爽快だった。昨日のお酒のせいか、前半は汗のかき方が激しかった。熊の一件があって以来、初のハイキングだった。あのトラウマは乗り越えたようだ。昼は「ベリカフェ」でいつもの銀鮭の粕漬け。11:30開店のはずだが11:28に入ったら店の半分くらいを先客が埋めていた。

・新宿。整体。幸せ。

・原宿。FASHION'S NIGHT OUT。友人二人と合流。「クア・アイナ」で夕飯。ヨウジでTシャツ購入。前面に色んな顔が印刷されている。山本耀司以外が分からなかったので店員さんに聞いたら、来季のモデルたちと写真家だそうだ。

・友人に連れて行かれた洋服屋で、パーティみたいなのをやっていた。一秒で自分が場違いだと分かった。オタクと正反対の社交的な若い奴らがお酒を片手に談笑していた。奥で飲み物を無償配布していた。すぐにでも店を出たかったが仕方なくビールをもらった。一口だけ飲んだ。ションベンみたいな味だった。店内にTOKIOの長瀬氏とEXILEのリーダー氏がいた。ビール瓶を友人に押し付けて店から逃げるように出てきた。

2012年9月9日(日)

・「平和苑」でロース焼き肉の定食。うん、うまい。ここは昼のセットにナムルがたっぷり付いてくるから野菜もちゃんと取れる。900円で、税込みで940円になる(945円ではなく)のが理解できない。支払うときに念押し確認したけど940円だそうだ。

・家のソファで本を読んでいたらそのまま2時間くらい寝てしまった。会社に遅刻する夢で目が覚めた。

・平日と土日が、二つの違う人生のように思える。

2012年9月10日(月)

・上層部に関しては「組織は頭から腐る。トップを変えないと会社はよくならない」と断罪し、部下については「下が自ら動かないと会社はよくならない」と批評する。この二つを同時に行えるようになってはじめて管理職として一人前と言える。

・布団の上で本を読んでいたら、あまり進まないうちに30分か1時間くらい寝てしまった。それ以上読むのは諦めた。読書をする気力と体力の85%は仕事によって削がれ、15%はTwitterによって削がれる。

2012年9月11日(火)

・約4時間の残業を終えてから、サッカーの日本対イラクをやっていたことに気付いた。急いで帰れば途中から観られるが、録画しているからいいやと思って、一人で「串揚げなおチャン」で呑んだ。串揚げ4本を食べ、ハイボール350mlを半分くらい呑み、焼きそばを頼んだところで上司が私を見つけ、途中から合流した。上司は生ビール2杯と串揚げ3本だけを食べた。おごってもらった。二人で2600円だった。

・追い焚きをしたが、浴槽に浸かるのを忘れた。でもその分早く寝られるからいいやと思ってそのまま着替えた。録画していたイラク戦を観始めたが、前半が終わったくらいで寝てしまった。1時くらいだったかな?目が覚めた。電気を消して寝直した。

2012年9月5日水曜日

2012年8月29日~9月4日 日記

2012年8月29日(水)

・会社のコンピュータのフォルダに、旅行のときの写真を入れてある。疲れたときに見て、人生の楽しさを思い出す。トルコ旅行って去年だったんだな。もう2、3年前に感じる。インド旅行やトルコ旅行の経験は、間違いなく自分の人生の宝だ。

・Top downによって引き起こされた問題を、bottom upで解決しようとすることは、生産的なのだろうか。

2012年8月30日(木)

・朝、会社に歩いていたら牛みたいな柄の猫が道路を横切って何だか可笑しかった。虫は嫌だけど、猫とか鳥とかを通勤中にふと見ると心が安らぐ。家の近所を歩いていて今までで一番驚いたのは川をカルガモの親子が泳いでいたときだった。あのときは橋の上からしばらく見とれてしまった。

・会社員は仕事量が倍になれば給料が倍になるわけではない。だから仕事が多ければ多いほどありがたいわけではない。

・「あのときあんなきついことを言わなければよかったな」よりも「あのとききついことを言わなくてよかったな」と思うことが最近は多い。

・組織に生かされていることに無自覚な会社員は、痛い。自分のことばかり考えて組織という点から物事を見られない人は、雑魚。

2012年8月31日(金)

・誰にも好き放題なことを言えるのは平社員の特権だ。上司は部下に言いたいことをすべて言うことはできない。というか、たぶん一部しか言えない。いくら正しくても、だ。立場が対等ではないから、正論と正論をぶつけ合って議論というのがそもそも成り立たないのだ。上司の言葉にはパワーが伴う。

・「とん亭」でロースしょうが焼き定食。来るのが今週三回目なので、さすがに「会社がこの近くなんですか?」と聞かれた。

・夕飯においしいものを食べると、一日が締まる。というか、うまいものでも食わないとやってられない。

2012年9月1日(土)

・頭の中では朝早くからハイキングに行くつもりだったが、まったく気が向かず家でゴロゴロしていた。平日のストレスで頭がオーバーヒート気味のようだ。何をするにも気が重い。本を読む気にもならない。7時頃に目が覚めたが、昼飯を食べるために外に出るまで、ほぼずっと布団の上でぼーっとしていた。

・この感覚は初めてではない。あれは5年くらい前だっただろうか。仕事がうまくいかず、残業漬けで、精神的にも滅入り、身体もこりまくって、土日休んでも疲れがとれなくて、何のために働いているのか分からない時期があった。まだ、そのときほどきつくはない。

・「ベリカフェ」でいつもの鮭の粕漬け。目を閉じてお吸い物を味わう。4週間ぶりなんだけど店に入ったら「いつもありがとうございます」と言ってくれた。

・これから山に行こうと思ったら急に容赦ない雨が降ってきた。布団を干してるんだが。10分くらいで止んだので、そのまま電車で隣駅に行きハイキングを始めようとしたらまたどしゃ降り。ずぶ濡れになり、心が折れた。ハイキングは数分で断念し、引き返した。今朝起きてからの主な行動がことごとく裏目に出ている。そんな中、かばんに入っている熊除けの鈴の風鈴のような音色が心の癒しに・・・ならねえよ。町のハム屋さんでピクルス入りのポテト・サラダ、チョリソ、豚ロース肉を買って、すごすごと家に帰った。家近くの温泉に入ろうと思ったが、一旦家に戻るとそれも億劫になったので家の風呂で済ませた。

・DVD『生田衣梨奈が5号車に! 新垣里沙ファンクラブツアーin静岡』を鑑賞した。期待していたけど、それにしても面白すぎる。微笑ましすぎる。単に「消化」して終わるのではなく、自分の中に何か爪跡を残してくれたように感じる。これは物凄い作品ではないだろうか。

・私は今まで、他人の不幸が娯楽になり得ると思ったことはあっても、他人の幸せが娯楽になり得るとは思わなかった。たとえば小説にしても、登場人物が苦境に陥るのが面白いわけじゃん。でも、この『5号車』DVDは、ひたすら幸せな生田衣梨奈を写しているだけなのにとてつもなく面白かった。

・家の掃除をしたり、DVDを観たり、Twitterを眺めたりしていたら、夜になって、ようやくだいぶ気持ちが軽くなってきた。明日は普通に出かけられそうだ。

2012年9月2日(日)

・高千穂牧場カフェ・オレ、牛乳にコクがあっておいしいけど、ちと甘すぎるな。スーパーで買ったアイス・コーヒーと牛乳で作ったコーヒー牛乳の方が好きだ。近所のスーパーでアイス・コーヒーを3,4種類試したけど、「山本珈琲」が一番。その他はただの黒くて苦い水。

・何か今日、いつもの土日より街に人が少なかった気がするな。雨を警戒して外に出なかった人が多かったのかな? それとも単に気のせいか。

・友人が坂本真綾コンサートのチケットを取ってくれたのだが、驚くほどの良席だった。11月。平日だが絶対に行かねばならない。

・長年使ってきた目覚まし時計が、アラームが鳴りだすと電池を抜かない限り鳴り止まなくなったので、新しいのを買った。電波時計。電池を入れたら勝手に針が動いて時間を設定してくれる。でも、正確な時刻とは程遠い変な時間になった。説明書を見たら、「マンションやオフィスビルなどの鉄筋コンクリートの建築物内やその周辺、(中略)発電所・変電所内や送電線・鉄道線路の周囲、(中略)では電波を受信しにくい(以下略)」と書いてあった。おいおい、うちは鉄筋コンクリートのアパートで、なおかつ変電所と線路の近くだぞ。「窓際に置くだけでも電波を受信しやすくなる場合があります」と書いてあったので窓際に置いて電波を受信してみたら、正しい時間になった。

2012年9月3日(月)

・朝から夕方まで仕事をすると、難しい本を読む体力と気力はほとんど残されていない。だから、難しい本はなるべく学生時代に読んでおくべきなのだ。

2012年9月4日(火)

・会社員のストレスや疲れを推し測る上で、労働時間は重要な指標だが、それだけではない。仕事量、人間関係、組織の状態、等々・・・。

・日頃しれっと働いているように見える人でも、内心では色々と不満や疑問を抱えている。表に出していないだけ。うまいものを食ってお酒を飲みながら本音を聞き出すのは本当に楽しい。

2012年8月28日火曜日

2012年8月22日~28日 日記

2012年8月22日(水)

・仕事帰りに、最近駅前に出来たラーメン屋で、つけ麺。残業を2-3時間すると夕食を自分で作る気はなくなる。ラーメンよりつけ麺の方が好きだ。自分の体質にも合っている。ラーメンを食べると食道のヘルニアが悪化しやすい。

・ここ数年なかったくらいに仕事がバタバタしている。とは言っても、たかが知れているが。改めて分かったことは、朝の方が明らかに能率がよい。朝一からどれだけ集中しててきぱきこなせるかが勝負。残業時間にもなると頭と身体が疲れているから仕事の質も低くなる。しかし、残業時間の方が給料が高い。

・どうも自分のHP(ホームページではない。ヒューレット・パッカードでもない)が朝に満タンでそれから減っていくことに無自覚の人が多いようだ。朝の時間が一番貴重なのに、だらだら過ごしている。

・短期的には、仕事を遅くやって残業時間を増やすのが給料を増やすために合理的な選択である。しかし、仕事の時間を圧縮して(途中で切り上げるという意味ではない)空き時間を作った方が、長期的には絶対よい。長時間残業は、上司に対する「私は今抱えている業務でさえいっぱいいっぱいで十分にこなせていません。ましてや新しい仕事や役割は与えないでください」というメッセージである。そのまま歳を重ねたら本当にそれしか出来なくなる。そして、一日の予定を会社で埋め尽くすことで会社の仕事以外から何かを学ぶ機会を失っている。自分の可能性を食い潰しているのだ。

2012年8月23日(木)

・GAGLEの"3 PEAT"だけをiPodshuffleに入れて、シャッフルせずに聴きながら通勤。遊び心を持って音楽をやっているのが伝わってきて聴いていて楽しい。Shuffleさせる組み合わせがしっくり来ないときや特定のアルバムを聴き込みたいときは、アルバム一枚だけを入れることが多い。今日は前者。こういう日がたまに訪れる。



2012年8月24日(金)

・おそらく人生は、楽しもうとしなければ楽しむことはできない。

2012年8月25日(土)

・五感のうちどれかを塞ぐと他の感覚が強くなるらしい。たとえば一部の飲食店が照明を薄暗くするのは料理の味や香りを強調するためだとか。横浜BLITZでのBuono!コンサート中、歌を心に刻もうとしばらく目を閉じて聴き入った。たしかに歌がよく耳に入ってきた気がしたが、周囲のヲタたちの体臭もより強く感じた。

・私の近くにいた紳士の発汗量が尋常じゃなかった。岩盤浴に20分入ったレベル。それはいいんだけど、汗を拭かないで飛び跳ねるものだから飛び散ってくる。床は水滴だらけ。彼の肘が私の顔に入ったときはさすがに驚いたが、軽い「すみません」の一言すらなく何事もなかったように流してきたのにはもっと驚いた。客たちが「オイ! オイ!」と叫ぶ合間に野太い「うりゃ」を挟んでいた。これをやっている人を初めて間近で見た。終始、あまりにも必死すぎて何度か笑ってしまった。この人は仕事ではどんな感じなんだろう。

・あの環境は、男でさえ心が折れそうになる。女性専用の区域を作っているのは正しいと思う。2階の指定席もあるとは言え、そうしないと女の人は非常に来づらいと思う。

・Wikipediaで「ライブハウス」の項目を見ていたらライブハウスというのは和製英語で、英語でlive houseは「生き物のいる家」もしくは「動物園」を意味すると書いてあった。あれは動物園だったのかもしれない。

・前回一月にBuono!コンサートを観たときのブログ記事「R・E・A・Lな一日。」を何度も思い出した。

・横浜モアーズの「ハングリー・タイガー」で夕飯。子供の頃特別な日に家族で行かせてもらったレストラン(の支店)に一人で来たことに罪悪感を覚えた。見回しても一人で来ているのは私くらいしかいなかった。オリジナル・ハンバーグのスペシャル・セット(スープ、パン、飲み物付き)で1980円と、そんなに高級ってわけではないのにお腹も心も値段以上に満たしてくれる。従業員への教育が行き届いている。安っぽさを感じない。素敵なレストラン。

・池袋からの電車で無事席に座れたと思ったら隣に座ってきた男が汗臭かった。ああ。コンサートの2時間、電車が空いて私が席を移動するまでの1時間。今日は計3時間くらい鼻を汗の臭いで刺激されて過ごしたのか。

2012年8月26日(日)

・前から気になっていた小川町駅前の喫茶店「コスモス」に入った。古風な喫茶店。ナポリタンでお昼ご飯。「お若いのでたくさん食べてください」と大盛りにしてくれた。モカマタリという珈琲を飲みながら杉浦昭嘉氏の『29』を読み終えた。珈琲は「サービスです」とおかわりが付いてきた。このお店は今後も使っていきたい。

・杉浦昭嘉氏の『29』。何者かになりたいけど現実もある程度見えている。加齢を感じ始めているけど、まだ若い。青春まっただ中では明らかにないけどまだ希望や青臭さも残っている。そんな29歳の男によるくだらないけど本気の内省を描いた小説。私自身ちょうど30歳になったばかりのタイミングでこの本に出会えてよかった。



・昨日届いて今日聴き始めたStrong Arm Steadyの新アルバム"Stereotype"がかなりよいかも。断言しないのはまだ数曲しか聴いていないから。Phil the Agonyのラップがとても好きなんだよね。この声と、フロウ、ライミング、聴いていて癖になる。Phil the AgonyそしてStrong Arm SteadyはTalib Kweliの作品への客演で知った。HIP HOPの世界には"real recognize real"(本物は本物に気付く)という言葉がある。リアルなアーティストのアルバムにはリアルなアーティストが客演している。だから客演からたどっていけば芋づる式にいいアーティストや作品を見つけられる。一般的に日本でSASと言えばサザン・オールスターズなんだろうけど、私にとってはStrong Arm Steady。



2012年8月27日(月)

・とんかつ屋さんでポークソテーを待っていると後から入ってきた年配の客が店内に流れているテレビのニューズを見てこう言った。「携帯で連絡して犯罪起こすやつがたくさんいるよね。携帯なんてない方がいいんだ」。この人は、犯罪者が車で移動したら「車なんてない方がいいんだ」と言うのだろうか。二つ離れた席で私はiPhoneをいじっていた。遠回しに私にケンカを売っているのだろうかと一瞬思ったが、それは考え過ぎだろう。気にせずTwitterのTLをスクロールした。

・竹内洋氏の『教養主義の没落』を読了。大学時代を思い出した。私という一人の人間も教養主義に憧れ、そして幻滅してきた。やや題材が重なる本では、学生の頃読んだ内田義彦氏の『読書と社会科学』が印象深かった。





2012年8月28日(火)

・自らの器とは不釣り合いなおもちゃを手に入れた人は、周りの人たちを不幸にする。

2012年8月21日火曜日

2012年8月15日~21日 日記

2012年8月15日(水)

・四月まで私が勤務していた事業所で、ある従業員が自殺したとの知らせが友人から入った。非常階段からの飛び降り。朝の9時過ぎに、喫煙所の近くにどさっと落ちてきたらしい。一面血だらけで、警察が現場検証。派遣業者も来ててんやわんやだったらしい。

・サッカー日本代表親善試合「日本対ヴェネズエラ」をテレビで観た。試合そのもの以上に、TV中継に醒めた。いつものことではあるが、スター選手たちの顔の大写しと過剰なリプレイの連続。日本のTV局は、いつまでたってもここから進化してくれない。

2012年8月16日(木)

・THE NORTH FACEで、登山用の靴を買った。最初は、ハイカットで底が硬くてごついブーツを想定していたが、店員さんに相談した結果、ローカットとハイカットの中間の、スニーカーっぽいのにした。店員さん曰く、

1.ブーツが必要になるのは、何十キロもの荷物を背負って泊まりがけで行くような場合。2000メートルくらいの山に日帰りで行く程度なら、スニーカータイプでOK。

2.富士山もスニーカー型でOK。慣れた人はローカットでも行ける。

3.登山靴を履くときは、かかとを下にして足を立てた状態で紐を締めていくのがよい。そうすると均等に足を締めることができる。(この方法って、普段の靴でも使えそう。)

2012年8月17日(金)

・長瀞がすごくいいところだった。カヌーに乗った川下りがすごく気持ちよさそうだった。やらなかったけど。

・御花畑駅近くにある「野さか」の豚みそ丼が、めちゃくちゃうまかった。絶妙の味付けだった。平日限定の「激辛」というのにしてみたら、容赦なく辛かった。

・バスで移動し、登山コース近くの民宿「登人」に宿泊した。80歳(本人談)のおばあちゃんが一人で切り盛りしている。異常に元気な方。二回停電した。夕飯はとてもおいしかったが量が多すぎた。半分でよかった。2時間ほど降り続けた激しい雷雨が明日の登山への不安を煽った。

2012年8月18日(土)

・坂本から「八丁尾根コース」で両神山山頂まで。下山は別ルート。「八丁峠コース」で、日向大谷へ。朝7時半から夜6時10分まで。7時間半のコースらしいが11時間近くかかった。体力的にきつかったのと、あと悪条件だった。昨日の大雨で川の水量が多かったのと、岩場が滑ったのと、登ろうとしても崩れ落ちてくる場所があったのとで、大変だった。鎖場といって鎖につかまって上り下りする急勾配が約30箇所。山頂にたどり着いた時点で体力をすべて出し切った実感があった。膝が笑うというのがどういうことか、身体で理解した。上級者向けコースだけあり、もし足を滑らせたり腕をふんばれなくなったりしたら死にかねない場所がいくつかあった。

・すべては数秒間の出来事だった。登山も終盤。残り約500m。上の方、進行方向の左側から、何やらガサガサと音が。人かと思ったら音がおかしい。ゴロゴロとドスドスを足したような音。黒い塊。雰囲気異様。顔が見えて、獣だと分かった。私の方向に、転がり落ちるように突進してきた。思わず大きな声をあげてしまった。

・何とかぶつかるのを避けようとしたが、10時間以上過酷な登山道を歩いており足が限界で、思うように動けず、腰が抜けたように倒れ込んでしまった。次の瞬間、顔を上げたらもういなかった。前にいた友人の証言によると、私たちの進行方向とは逆の方向に走り去って行ったらしい。人生で、ここまでの恐怖を感じた記憶はない。攻撃は受けなかったが、人生で一番死に近づいたかもしれない。

・一緒にいた友人に確認したら、熊だと言っていた。おそらくそうなのだろう。でも人生で一度も熊を見たことがなかったので、確証は持てない。

・装備と準備は整えてきたつもりだったが、熊への準備はできていなかった。正直に言うと、山で熊が出てくるというのは私にとっては絵本の世界であって、現実に起きるというのが想像の範囲外だった。どうやら、かばんに鈴を付けておくべきだったようだ。音を鳴らしながら歩くことで、熊に人間の気配を知らせるのが遭遇を避けるには重要らしい。自分の無知を恥じるしかない。しかし、仮に鈴を付けていたとして、本当にあれが防げたことなのかどうかは分からない。

・色々なことが起き得た。私は、熊に攻撃されていたかもしれない。崖から落ちていたかもしれない。大怪我もしくは死んでいたかもしれない。運がよかった。本当に。

・熊が通ったところに、たまたま私たちが通りがかったのだろうか? それとも、私たちをめがけて走ってきたのだろうか? 熊が移動するのを見たことがないので分からないが、あれは猛突進という感じで、常にあの動き方をしているとは思えなかった。

・残りの道は、気が気ではなかった。あの小熊が戻ってくるかもしれないし、親熊が来るかもしれない。親熊が来たら終わりだ。というか、そもそもあれが小熊なのかさえ分からない。二人してiPhoneでアラーム音を最大音量で鳴らしながら、早足で歩き抜けた。膝がガクガクでまともに歩けなかったのに、熊に教われそうになってからは「火事場の馬鹿力」的な力がわいてきた。

・無事下山したときは、安堵のあまり、泣けてきそうだった。一緒に行った友人が楽観的でけろっとした奴だったので、帰りのバスでは既に笑い話になっていた。親には「無事、下山しました」とだけメールを送った。何事もなかったかのように友人と別れ、小川町に戻り、家近くの温泉に入った。露天風呂でラムネを飲んだ。

・寝る前に枕元で「モーニング娘。のオールナイトニッポンモバイル」第25回を再生した。いつもの布団に横たわり、この平和な番組を聴いているのが、不思議だった。

・人は外に出て活動する限り、常に死と隣り合わせに生きている。山や海はもちろんのこと、駅でも、道でも。

・人がよく通る有名な山やコースは、道が舗装されておりコースが野生の世界とある程度切り離されている。安心できる代わりにつまらない。コアな山やコースは、自然そのもののような歩き応えを味わえる反面、危険が伴うし誰かが助けてくれる可能性も低くなる。

2012年8月19日(日)

・昨日あれだけ無理な運動をしたのに、6時くらいにすっきり目が覚めた。筋肉痛はあるが、出かけられそう。膝も普通に歩く分には問題なさそう。よかった。今日は池袋にハロコンのライブ・ビューイングを観に行くのだ。夏休みの締め。

・℃-uteのコンサートBlu-ray「2012年春夏 美しくってごめんね」を観た。「憧れMy Star」で各メンバーの大写しをしているためLEDを活用した演出が十分に伝わって来ないのは残念だった。現場で観たときのあの感嘆はこんなものじゃなかったんだから、と少し歯がゆかった。ただ、細かい部分まで見られるのは映像作品ならではのよさだから、これはこれでよいのかもしれない。



・池袋に向かう電車の中で、昨日の熊の件が頭をよぎった。なぜか、数年前に亡くなった祖父の顔が脳裏に浮かんだ。おじいちゃんが守ってくれたような気がした。

・電車で端の席に座っていたら、すぐ横に立っていた淑女が汗臭すぎて、耐えきれず途中から席を離れた。たしかに夏だけど、まだ午前中だぜ。K DUB SHINEがキングギドラの「F.F.B.」で放った「汗くせえ上に酒くせえ」という歌詞を思い出した。しかし、この不快さを味わうことが出来るのも生きていてこそ、と思うと可笑しくなってきた。



・「逸品火鍋」の回鍋肉にクミンが入っているのに気付いた。

・私は昨日の帰り道、あのまま死んでいたら悔やんでも悔やみきれないと思った。つまり、自分はこのまま死んだら後悔する人生を送っているということが、分かった。食いたいもん食って、言いたいこと言って、やりたいことやって、行きたいとこ行く。いつ死んでもおかしくないんだから。

・池袋の某喫茶店。ここの接客は、嫌いだ。相手は学生バイトと分かっているのだが、いらついてしまう。バイトたちは元気よく頑張っている。Managementがshitなんだろうと思う。

・若いときにロボットのような仕事ばかりしていたら、たぶん一生、末端の作業者にしかなれない。駒。そしてきっと、ロボットに仕事を奪われる。

・この体験談が、昨日、私たちが経験したのに近い。読む限り、私が昨日遭遇したのは親熊だったっぽい。

大ナゲシ~赤岩尾根~両神山(八丁尾根) 熊さんが自分めがけて凄いスピードで走ってきた。 (無雪期ピークハント/縦走 / 奥秩父)

・池袋のシネマサンシャインでハロコンのライブ・ビューイングを鑑賞した。道重さゆみが可愛かった。コンサート頭の「ももち!許してにゃん体操」でいい歳したおじさんたちが嗣永氏に合わせて嬉しそうに「にゃん!」と叫んでいて笑ってしまった。司会のまこと氏が登場した際、シャツの右襟がジャケットからはみ出していたが次に映ったときには直っていた。映画館は立ち見禁止だったのか知らないがみんな座っていてじっくり快適に観られた。騒ぎたい人は後ろの方に固まっておりハロヲタの民度の高さに感心した。池袋の客層は、私と同じくらいの年齢の男性、もっと上の男性、中高生くらいの女性、じっちゃん、等幅が広かった。スマイレージのメンバーたちが少し見ないうちに垢抜けていた。コンサート中の印象的な発言をいくつか:「つんくさんは一日中Twitterをやっている印象がある」(鞘師)、「格好いいですよね、道重さんの加工された声」(光井)、「(嗣永は)不細工だけど面白いから好き」(田中弟。田中れいな談)。

・瀧本哲史氏のこのツイートが、ぐさっと来た。組織に順応=昇進と仮定し周りの人間サンプルを思い浮かべると・・・。

2012年8月20日(月)

・残業したときに、家と会社が近いことのありがたさが身に沁みる。7時過ぎに出社して、3時間残業して、7時過ぎに会社を出て、9時過ぎに布団に入れた。

2012年8月21日(火)

・処理能力と、思考能力は別。仕事の経験を積み重ねても、思考能力が高まっていくとは限らない。

2012年8月16日木曜日

2012年8月8日~14日 日記

2012年8月8日(水)

・「私はあなたの考えに完全に同意する」というのは、「私はあなたの考えを完全に理解している」を前提とするはず。なのに、後者の方が難しそうに聞こえる。

2012年8月9日(木)

・8時間くらい寝たのに疲れがとれていない。明らかに、体力は働き手としての自分の強みではない。

・自分が何かもしくは誰かに対して怒りを感じているとき、「それは自分にも当てはまるんじゃないか?」「他人のせいにすることで自分の落ち度を隠していないか?」と問いかけるもう一人の自分が、たまにいる。そこは、働き始めてから人間として成熟した部分の一つだ。

・怒りは何かをよくするための行動の原動力になることもあるから、使いようによっては必ずしも悪いことばかりではない。ただ、疲れるし背中がこる。そういえば、以前『怒らないこと』という本を途中まで読んだが、まったく内容を覚えていないな。

・社内電子メールで、常に文字を大きくしてフォントや色も変えて送っている人を何人か見てきた。文字が少し大きいくらいならまだしも、メールを視覚的に目立たせようとするのは相手を威圧するだけで、いい印象を与えることはない。そういうメールを送る人は高確率で人格的にいや、なんでもないです。

・「効く」と「利く」の使い分けで迷うことがある。「効果がある」「利用できる」に置き換えて考えればよいのだろうか。

・仕事ができて頼れる人が退職することを知り、どっと疲労感。

・「自発」「自主」といった言葉は、権力と強制力を伴って上から下に発せられたときに嫌な響きを持つ。「自主的にやれ」って、「俺の気に入るようにやれ。俺が何をすれば喜ぶのか察しろ」というくらいの意味ではないでしょうか。

・「自発的にやれ」「自主的にやれ」という要求への最も痛烈な回答の一つになり得るのが、会社を辞めることである。人生における「自発性」と「自主性」を持っていないとできないことだ。もちろん、辞めるという決断が吉と出るか凶と出るかは、別問題。

・串揚げ屋さんで食べたナポリタンが、うまかった。(マ:マスター)
マ「いいナポリタンの見分け方、分かる? それはね、ケチャップが飛び跳ねないことなんだよ」
マ「ナポリタンを作る上で一番大事なのは、スパゲッティを茹で上げてから一時間以上は麺を寝かせておくこと。そうやって麺を冷まさないとケチャップが麺に馴染まないんだ。店によっては二時間くらい寝かせる」
私「これ、味付けはケチャップだけですか?」
マ「そう。あとバター」
私「何で普段は焼きそばなのに今日はナポリタンなんですか?」
マ「今、自分の中でナポリタンが密かなブームなんだよね。あと焼きそばより簡単だし」

2012年8月10日(金)

・「サッカーでは一点差より二点差の方が追い付きやすい」と人は言う。これは本当なのだろうか? もし正しいとすると、一点差で負けているチームは、もう一点取られた方が引き分け以上に持ち込める可能性が高まるということだよね。実際に、サッカーの歴史上、一点差の同点・逆転よりも二点差からの同点・逆転の方が多いんだろうか?

・「自発的にやれ」という命令(自発の強制という矛盾)よりも、「任せるから、好きにやっていいよ」の方が、私は好きだ。

2012年8月11日(土)

・サッカー日本代表の試合を観ても、昔のようには熱くなれない。興味が失せたわけではない。昔は、自分も一緒に戦っている気分だった。今でもそういう気持ちがないわけじゃない。でも基本的には娯楽として楽しんでいる。

・小田原。月曜まで友人宅に居候。「氷花餃子」という中華料理屋が、良店。麻婆豆腐。満足。食いすぎた。通える場所にないのが惜しまれる。

・大涌谷から駒ヶ岳山頂までハイキング。軽い気持ちで行ったが、ガチなコースだった。序盤は心なしか呼吸が苦しかった。たぶん火山ガスのせいだ。霧で先が見えなかった。山頂にたどりついても景色が一切見えなかった。

・インド料理屋「サクティ」で夕飯。リアル度はそんなに高くない(つまり日本人向けに味を調整している)けど、これはこれであり。あと何と言っても安い! 食べ物に加えて私がビールとラッシー、友人がラッシーを飲んで二人で2480円だった。

2012年8月12日(日)

・「湯坂路入口」のバス停から箱根湯本までの「鎌倉古道」と呼ばれる道を、歩いた。約8kmと長さは大したことがないが、ほぼずっと下りっ放しなのと、常に虫(蚊?)がまとわりついてくるので楽ではなかった。虫除けスプレーをこれでもかと露出部分にかけたのに刺されまくった。

・ハイキング帰りに、ある旅館に併設してある温泉に行ったが、完全に期待外れだった。日帰り入浴で、しかも2000円払ってこれでは到底満足できない。やたらとスタッフが多くて、対応は懇切丁寧だった。普段入っている小川町「花和楽の湯」の質の高さを改めて実感した。

・「友栄」で上うな重。滅多に食べる機会がない食べ物だが、たまに食うと贅沢な気分を味わえる。

2012年8月13日(月)

・昨日から合流した吉田のいびきがうるさすぎて、睡眠を妨害された。3時半くらいに起こされた。今後は真剣に対策を練らないといけない。あれって本人の睡眠には何の支障もないのだろうか?

・鎌倉でハイキングをしようかと思ったが、日差しが強すぎて、断念。「大仏前」行きのバスに乗って、大仏を見て、バスに乗る前にインド料理屋で昼食をとったが、あんまりおいしくなかった。中の下。もしくは下の上。

・インド料理屋に関する豆知識、その一。店員がインド人ぽいからといってインド人だとは限らない。ネパール人かもしれない。その二。インド人がやっているからといってうまいとは限らない。

・中学生の頃、鎌倉の英語教室に通っていた。だが大仏は今日初めて見た。
友人「お前、大仏を見たこともなかったのかよ」
私「ないよ」
友人「普通、日本人だったら大仏くらい見てるだろ」
私「何でだよ」
友人「それは俺の実家が奈良だからだ」
意味が分からない。

・驚いたことに、昨日のハイキング中に一番虫に刺されたのは靴下で覆われていた部分だった。そこだけで両足の4-5箇所は刺された。

・親によると、私は赤ん坊の頃に一度鎌倉の大仏を訪れたことがあるらしい。だが、記憶がないので私はあくまで今日を初めてと数える。

・東戸塚の「フィオーレ」という店で、両親と夕食。初めて入った店だったが、結構よかった。ここのピザは、ピッツァではなくタバスコが似合う「ピザ」。

2012年8月14日(火)

・平日かつ午前中の新宿は、びっくりするほど人が少ない。伊勢丹メンズ館も明らかに店員が余っていて、本当に暇そうだ。

・新宿「ほぐし職人」。今まで最長でも80分までしかやってもらったことがなかったが、奮発して90分やってもらった。夏休みなので贅沢したかったのと、箱根ハイキングでだいぶ足腰が疲れているので。

・渋谷ヨウジに寄った。二回目の商品が入荷していた。エンジ色っぽいパンツがすごくよかったので買った。その分、予約していた9月入荷のパンツをキャンセルした。

・「ハングリー・タイガー」で両親と晩ご飯。子供の頃から、誕生日なんかに頼んで連れて行ってもらっていた、思い出のレストラン。また5年後、10年後に来ても続いていてほしい。待合室に置いてあった『小さくして強くなった』という本を入店までの待ち時間に読んだ。2割くらいしか読めなかったが、経営者や関係者の理念とか事業への思いというのがよく伝わってくる本だった。

2012年8月7日火曜日

2012年8月1日~7日 日記

2012年8月1日(水)

・自分に自信を持ちすぎるのは、考えものかもしれない。自分がすべて正しい、自分がすべてを知っているという人は、おそらく学ぶことをやめている。本当にすべてを知っているのではなくて、自分が見えている景色がすべてだと思い込んでいるだけ。

・スポーツ選手だけでなく、実は会社員の能力開発や評価にとっても年齢は非常に重要かつ冷酷な要素であることが最近分かってきた。同じ能力であれば、若い方が労働市場での価値は高い。一定の年齢を重ねた社員が、新しいことを学ぶことへの腰の重さ。新入社員との吸収力の差は歴然。

・これが何を意味するのかというと、会社員の選手寿命は最大で40年くらいと言えども、大筋においては、最初の頃に身に付けた能力や姿勢で最後までやりくりをしなければならないということだ。具体的にそれは何年くらいで、何歳までなのだろうか? 山崎元氏の『転職哲学』には30代前半と書かれていた。おそらくそんなものだろう。いずれにせよ、最初の数年間で、土台は出来上がってしまうのだろう。



・日本以外の企業はすべて外資系。つまり世界の大多数の企業は外資系。それなのに外資系企業やそこに勤める人たちを批判して忌避する人がいる。もし仮に「外資系企業」全体に共通する特徴があり、日系企業がそれと異なるのであれば、異常なのは日系企業の方ではないか。

・ガイシ、ガイシと騒ぐのは、自分たちが「内」でありそれ以外は「外」であるという排他的な姿勢、一種の共同体意識と関係しているのだろう。日本では本来機能集団であるはずの企業が共同体になっているという指摘を小室直樹氏の本で学生時代に読んだ。それがずっと頭に残っている。

2012年8月2日(木)

・企業に機能集団と共同体の二種類があると仮定すると、転職には1)機能集団から機能集団への移動 2)機能集団から共同体への移動 3)共同体から共同体への移動 4)共同体から機能集団への移動 の四種類があることになる。

・共同体寄りの企業に身を置いている方が、仕事と会社と人生が同化しやすいのかもしれない。

・今日読んだ記事で、面白い理論を知った。曰く、仕事における不満足と満足は同一線上にはなく、不満の解消と満足の実現はそれぞれ別の要因によって引き起こされる。たとえば、給与の低さは仕事への不満足を引き起こすが、それを解消すれば「不満足が軽減される」ものの「満足する」わけではない。ハーズバーグという学者の「二要因理論」というらしい。アマゾンでこの人の"The Motivation to Work"という本を注文した。

勉強の秘訣について(その2) 面白がる力



・『モチベーションで仕事はできない』(坂口孝則氏)。「情熱的な精神状態は、技術・才能もしくは能力不足の表れであることが多い」(Eric Hoffer)。しかしながら、モチベーション(もしくは情熱、やる気)と技術の向上は、完全に切り離せるわけではなく、両輪の関係に近いのではないか。「モチベーション」そのものが目的化しては本末転倒だが。





・やたらと精神論を語るやつは、技術や知識が足りない。英語をろくに勉強してないやつに限って「言葉はハートだ」とか言い出す。ふざけんな。一方で、人生には少しの精神論は必要だ。一定の技術や知識を身に付けた人には、そうなる過程で、情熱が能力を上回っている時期があったはずだ。

・私は自己啓発書を一生懸命読んでいた時期がある。すがるように。今の自分にとってその大半はクズみたいな本だ。でも、そのときの自分にとって沁みる本や、響く本だったわけだから、自分にとっては必要だったんだと思う。「怪しげな自己啓発書なんて読まずに専門書を読めばよかったのに」なんていう後知恵には価値がない。

・「古典を読め」ほど正しくて、同時につまらない助言はない。「早起きしろ」に通ずる何かを感じる。罰でもないかぎり、正しいだけの言葉に従うほど人は合理的ではない。正論はつまらない。

・『モーニング娘。全シングル MUSIC VIDEO Blu-ray File 2011』が届いた。DISC 2を通して鑑賞した。24枚目のシングル「涙が止まらない放課後」から47枚目の「この地球の平和を本気で願ってるんだよ!」「彼と一緒にお店がしたい!」(この2曲は当初両A面だったが後者がカップリング扱いに変更された。だから厳密に言うと「彼と」はシングルではない)まで。ごく最近の曲になるまで画質には粗が目立つ。37枚目の「ペッパー警部」になるまで表示が横長テレビの画面いっぱいにすらならない。



・一度Blu-rayの世界を味わってしまうと、DVDには戻れない。昔(とはいっても数年前)のDVDを観ていると、このDVDというものが高画質とされていた時代があったのが、にわかには信じがたい。

2012年8月3日(金)

・コム・デ・ギャルソン・オムのシャツの形が、今季から変わったとのこと。試着してみたら、今までのより細い。悪くはないんだけど、ギャルソンがこれを出す必要はあるんだろうかと思ってしまった。

・木ボタンのチェック柄シャツが目を引いたが、実際着てみたら「ギャルソンのシャツ」の形ではなかったためピンと来なかった。これは単に大きさの問題ではなく、設計思想(?)の問題。細いからといってサイズを上げて解決するわけではない。

・昼食は池袋「逸品火鍋」のホイコウロウ定食。680円。この店では火鍋ばかり食べていたが、回鍋肉もかなりうまい。にんにくが効いている。自分でもこれくらいの回鍋肉が作れれば。

・Twitterである方が「床屋さんがお客さんと会話するのは眠らせないため(大意)」というpostをしていたので、今日美容室で美容師さんに聞いてみたら「自分はそんなつもりでお客さんと話したことはないし、周りでも聞かない。でも床屋さんは刃物を使うし美容室よりも作業は細かい。だから床屋さんだったらあり得るかも」という見解。

2012年8月4日(土)

・ハロプロ・ファンの間でやたらと評価が高いように見える太陽とシスコムーンの1stアルバムを聴いてみた。R&B色が強い。好きだけど、これを聴くなら嶋野百恵を聴くな。これだと自分の脳内で「ハロプロの音楽」という絶対的なジャンルというよりは、Japanese R&Bとして認識してしまう。ただ、聴き込んでいけばもっとよさが分かっていくかもしれない。



・「自分はマネジメントは向かないと思っている。」大学時代からの友人にそう話した。「たしかに。大学のときからサークル活動もせず、物書きみたいなスタンスだった。」そうそう。昔から俺のことを見ているだけあってよく分かっている。でもね、そういう仕事ってなかなかないんだよ。組織に属する以上は、組織内の階層を上るという命題から自由にはなれない。

・中村淳彦氏の『職業としてのAV女優』読了。そもそもAV業界というものが法律的にグレーな存在だとは知らなかった。AV女優やその志願者たちの実態と人生を、淡々と描き出している。全体を語りながら個々の人生を描き、個々の人生を描きながら過度の一般化や感情に流れていない。知らないことだらけだった。中身の詰まった新書。



・AVというのは特殊な産業ではあるけれども、それに関わる人たちのことを知ると、自分が見えている世界、ましてや自分がやっている仕事なんてのは色々ある仕事の中の一つに過ぎないんだなと再認識した。それで偉そうに仕事を語るのもどうなんやろと思ってしまうな。

2012年8月5日(日)

・昨日のオリンピック、サッカー、エジプト戦。日本の選手たちは、3対0で勝っている後半のロスタイムになっても相手のGKにまでプレッシャーをかけて最前線からボールを奪いに行っていた。普通に考えれば奇妙な光景である。相手がボールを回して時間を浪費するのを防ぐために負けているチームがやることだからだ。三点差ではなく一点差であれば、批判の対象だったかもしれない。

・奥山真司氏の『世界を変えたいなら一度"武器"を捨ててしまおう』読了。自己啓発書に食傷した自分でも面白く読めた。戦略理論と自分の人生をつなげることには何年も前から興味があったが、その具体的なやり方を手ほどきしてくれるのはありがたい。大学時代に奥山氏の「地政学ーアメリカの世界戦略地図」を読んだ。あれはいい本だった。今アマゾンで出版年月を見たら2004年10月。8年近く前か。そりゃそうだな。大学を卒業してから約7年半たっているわけだから。





・昔聴いていたCDをたまに聴き返したくなって、iTunesでリリース年を確認すると10年前後前ということが最近よく起きる。会社に入ってから約7年半だから、大学に入ってから1年半(卒業2年半前)の時点が、今から10年前。2002年のW杯が10年前か!

・何かを10年とかそこら追い続けてきたら、その何かはもう自分という人間の一部なんだと思う。だから、そういった対象との自分の関わりを語ることは、そのまま自分の人生を語ることだ。

・アウトドア用品店で見た防虫機能付きのシャツ。買う何歩か手前まで行ったが、よく考えたら無意味なのではないかと気付き思いとどまった。山を歩いていて虫が襲ってくるのは主に顔や手首等、肌が露出している箇所である。防虫機能が付いていようがいまいが、肌が覆われていれば虫除けになる。そのシャツを着たとしても、肌が露出する部分は虫に刺されてしまうのではないだろうか。

・アウトドア用品店のセールで、知らないブランドの長袖Tシャツと、THE NORTH FACEの襟付きシャツを買った。両方とも紫外線を防ぎ、すぐに乾く。アウトドアの服は、抜群に使い勝手がよい。中途半端なファッション・ブランドの服を買うくらいなら、アウトドア服の方が断然よい。いずれ富士山なんかも登ってみたいから、それを見越して少しずつ装備を集めていく。

2012年8月6日(月)

・昨日だったか、もっと前だったか。オリンピックのサッカーの試合で引き分けを狙うのはフェア・プレーの精神に反するとする記事がTwitterで流れてきた。最初はどうせサッカーを知らない門外漢が書いたのだろうと受け流していた。今日、ふと気になってその記事にあたってみると、サッカー専門のジャーナリストによるものだったと知り、驚くとともに困惑した。記事では明言されていないが、要は「女子サッカーはアマチュアなんだから、プロの真似はやめなさい」ということが言いたいのかな。

引き分け狙い…なでしこ、フェアプレー精神はどこへ

・結びの「眠い目をこすりながらテレビの前で試合を見守った少年少女たちを含めた日本中の人々を落胆させた罪は、けっして小さくはない。」この筆者は、驚くことに何の証拠も示さずに「日本中の人々」が落胆したと言い切っている。自分が気に入らなかっただけでしょ?

・少しでもサッカー観戦経験があれば、自分たちの意思だけで結果を操作できるほど単純じゃないことは分かりそうなものだが。もちろん、相手と組んでいたらそれは八百長。監督が「引き分け狙い」を指示して引き分けが必ず手に入るなら、今後サッカーの大会前には毎回「優勝狙い」を指示するべき。

2012年8月7日(火)

・『世界を変えたいなら一度"武器"を捨ててしまおう』を読んでふと思ったこと。学生時代に戦略の階層(世界観、政策、大戦略、軍事戦略、作戦、戦術、技術)でいうどの高さの思考や経験を積み重ねてきたかが、将来その人が職業人としてどこまでたどり着けるかに強く影響するのではないだろうか。たとえば、一番下の「技術」階層に特化してきた人は何かの技術を用いた作業員にとどまる、という風に。だとすると、それは「学生時代はリベラル・アーツを習得すべし」論の根拠になるのではないだろうか。

・しかし、ただ「リベラル・アーツを学べ」といったところで、それは学生にとって目の前の就職難を乗り越えるための有効な答えにはならない。短期的に就職できなければ、一生、長期的なキャリア形成はできない。

・給料の安さに不平を言っている人がいたとする。その人に対して「転職エージェントと面談して、今までやってきた仕事を説明して、あなたに今の年収を超える求人案件がどれだけあるか、調べてもらってください。その上で、本当に今の給料が安いのかどうか、考えてください」と言ったら大半の場合、黙り込んでしまうのではないだろうか。特に、40代以上の人たちは。市場価値という観点を無視して高いだの安いだの言っても不毛だ。同年代だからといって、異業種で異なる職種に従事する友人の給料と比較しても、無意味。

2012年7月28日土曜日

2011年7月30日~8月4日 広島旅行記(4)

タリーズに入った。大体の店が8時には閉まる商店街だが、この喫茶店だけは9時まで開いている。2階で、『被爆証言集 原爆被爆者は訴える』を読んだ。想像を絶する世界が、そこには描かれていた。「この世とは思えない」とはこういうことか。こんな本は読んだ記憶がない。

半分くらい読んだところで、閉店時間が近くなってきたので、店を出た。

こちらで何軒か書店に行ったけど、『テロルのすべて』(樋口毅宏)を見つけることができなかった。広島・長崎の報復のためメリカに原爆を落とすことを夢見る日本人が主人公の小説だ。この旅の前に一度読んであるのだが、広島の土地で読むとまた感じ方が違うのではないかと思っていたが、この旅での再読は叶わなかった。



8月1日(月)

市民センターみたいなので開かれている「原爆と戦争展」というのを見に行った。この展示のことは、街で受け取ったビラで知ったか、会場近辺の張り紙で知ったかのどっちかだったと思う。

部屋に入ってすぐ左側に本を並べて販売してあるので見ようとしたら、「そっちじゃねえよ」と(実際にはもう少していねいな言葉遣いで)逆の方向(逆時計回り)から回るよう指示された。

「過ちは繰り返しません」的な、何かをはぐらかしたような人道主義もどきとは趣が異なり、日米双方の政府を厳しく糾弾する、生々しい、政治的といっていい内容だった。軽い気持ちで入ると引いてしまう感じだった。

当時アメリカ側が被爆者のための治療所みたいなのを設置したが、被爆者を診るだけ診て、ろくに治療をせずにデータだけを集めていたことが写真付きで説明されていた。その情景を少し想像しただけで、胸がむかむかしてきた。

ところどころで福田正義という人の文章が引用されていて、気になる。もっとこの人の文章を読んでみたい。

「どうでしたか?」

展示を大体見終わったところで、私より少し若いくらいの男性が声をかけてきた。

「そうですね、見応えがあって・・・」と言ったきり、うまく言葉を出すことができなかった。胸がいっぱいになっていたからだ。

「今回の展示で特に何が印象に残りましたか?」

「被爆された方の症状の写真ですね。あれはもう・・・」

「広島に来て感じるのは、原爆の体験を街をあげて語り継ごうとしている点ですね。これは本当にすごいと思います」と言うと、「東京でも戦争はあったし、空襲はあったわけですよね」と言われ、ハッとした。そういえばそうだよな。原爆だけが戦争ではない。

思いがけず80歳の男性被爆者の方から一対一でお話を伺うことができた。椅子と机が用意されており、何人かの被爆体験者からお話を聴かせていただけるのだ。一時間くらいだっただろうか。本当に貴重な経験。

正直、お話の内容に、驚きはなかった。『いしぶみ』を読んだし、広島平和記念資料館にも行ったし、『被爆証言集』も半分くらい読んだから、知っていることが多かった。でも、だからといって適当に聞き流すわけにはいかなかった。歴史に残る体験をされた方が、貴重なお時間を、私一人にお話をすることに割いていただいているのだ。録画された動画を見るのとは訳が違う緊張が私を襲う。

被爆者のほとんどは被爆体験を人前に出て話そうとはしないらしい。なぜなら、あまりにつらくて、一生封印しておきたい記憶だからだ。事実、私に体験談を伝えてくださった方もそうだったらしい。しかし、その後自分なりに勉強し、死に絶えていった同世代の人たちのためにも、自分の体験を伝えていかなければと決心されたらしい。数年前からこのような活動をしているとのこと。

つまり、このように被爆体験者からお話を聴ける機会はそもそも稀少なのだ。その上、言うまでもなくご存命の被爆者は、日々減っていく。自分の子供の代は同じ体験をできないと思うと、すべての神経を集中させて聴くことは、私の責任であり、唯一の選択肢だった。

戦争を実際に体験した方から、戦争時のことを聴くのは、もしかすると生まれて初めてだったかもしれない。私の祖父や祖母は戦争を経験した世代だが、戦時中のことは向こうからも、こちらかも話題にしたことはなかった。

今は、母親方の祖母だけが生きているが、別の場所に住んでいて数年に一度しか会わないし、今更になって聞く気にもならない。

2012年7月14日土曜日

2011年7月30日~8月4日 広島旅行記(3)

いよいよこの旅の真打ち。昨晩ちらっとだけ訪れた原爆ドームおよび周囲の関連施設を、じっくりと見に行く。

途中の商店街にパン屋さんのアンデルセン。随分と立派な店構えだ。何でも、ガイド・ブックによるとここが第一号店らしい。広島が発祥とは知らなかった。まあ、後で来るとしよう。


アンデルセンは池袋の店舗にたまに行く。フランス・パンにハムとレタスを挟んだサンドイッチが好きで、たまに買う。ぱかっと開いて中に黒コショウをかけてから食う。食パンも一度買ったことがあるのだが、あまり好みではなかった。食パンに関してはポン・パ・ドールの方が好きだ。

ポン・パ・ドールと言えば子供の頃、チーズ・バタールというダイス・チーズが入ったフランス・パンが大好物で、母親がたまに買ってくると大喜びしていたものだ。ロンドというチョコレートとナッツを練り込んだ菓子パンを買うため会計の列に並んでいたらiPodshuffleから松浦亜弥の「横浜ロンド」という曲(アルバム『Click you Link me』)が流れてきたことがあった。その旨、当時Twitterに投稿したら友人に「痛ツイート」として晒し上げられた


改めて、原爆ドームを鑑賞する。目の前に、「あの」原爆ドームがある。それが現実であることを確かめるかの如く、色んな角度や距離からシャッターを切り、SDカードに画像データを収める。



雨が降ってきた。傘を持っていないので、休憩所に逃げ込む。中は同じ考えの人々で溢れている。自販機で500mlペット・ボトルのミネラル麦茶を買い、一気に飲み干す。いや、厳密には一気に500mlは飲んでいない。何回かに分けて飲んだ。

雨は少し弱くなったが、いつ完全に止むか分からないので、外に出る。

ベンチに腰掛け、原爆ドームをぼーっと眺める。ベンチの上に木がかかっていて、多少は雨をしのげる。何というか、この建物は、眺めているだけで胸がいっぱいになる。



広島平和公園を一通り回ったが、原爆ドームの衝撃に比べてしまえば他は私にとってはおまけのようなもので、概して印象は薄かった。

例外は、広島平和記念資料館。

2012年1月29日日曜日

R・E・A・Lな一日。

1月28日(土)
Buono! LIVE 2012 "R・E・A・L"
14:00 会場
15:00 開演

ツアー名が「R・E・A・L」(リアル)と知ったとき、何たる偶然かと思った。

なぜなら俺はまさに、連れて行く非ハロヲタ二人に、リアルなアイドルのコンサートというものを見せつけてやろうと思っていたからだ。コンサート後には、桜木町は野毛町のリアルな大衆居酒屋を@yokohamalotteに案内してもらう。とにかくリアルな一日にしてやろう。それがこの日のコンセプトだった。

新高島の駅で待ち合わせて、まずは会場横のグッズ売り場へ。12時前だが既に開いていた。

グッズ情報
http://www.helloproject.com//goods/tour/12_buono_real/index.html

@karasi_gjは、ソロマフラータオル【夏焼 雅】(2000円)と、夏焼雅を応援するための赤いサイリウム(300円)。

@yokohamalotteは、ツアーバッグ(600円)と、鈴木愛理を応援するための緑のサイリウム(300円)。

二人とも非ハロヲタではあるが、今回のコンサートへの誘いを快く快諾してくれた。このような友人たちを持つのはありがたいことだ。

彼らには、自分が誰を応援するかを事前に決めてもらった。後述するように、それがアイドルのコンサートを楽しむための文法だからだ。彼らは公式グッズのTシャツは買わなかったかわりに、ちゃんとそれぞれ赤と緑の自前Tシャツを着てきている。

俺は最初に並んだにも関わらず、会計を済ませたのは最後だった。被害妄想かもしれないが、駅の切符売り場にしても、空港にしても、俺が並ぶ列はいつも進みが悪い。

買ったのは、三点。ソロTシャツ+リスト・バンドセット【嗣永桃子】(3500円)、DVD MAGAZINE vol. 11(2500円)、DVD MAGAZINE vol. 12(2500円)。計8500円と、チケット代(6350円)を上回る大きな出費だ。そりゃ、節約を優先すれば、何も買わないで済ますことだって可能だ。でも、会場で販売しているグッズにはくすぐられるのだ。会場と一部の通販でしか手に入らないから稀少価値がある。DVD MAGAZINEにしても、普通にアマゾンで売っていればわざわざここでは買わない。というか、そもそも買わないかもしれない。あと、コンサートへの参加それ自体は一度きりの経験で後に残らないから、何か形のあるものが欲しいのだ。

チケットが6350円というのは、一見、安いという感じはしない。コンサートのDVDはアマゾンで3000円くらいだ(最近出始めたブルーレイだと4500円くらい)。もちろん低画質で細切れなのは言うまでもないが、YouTubeで検索すれば過去のコンサートの動画がタダでゴロゴロ転がっている。

でも、コンサートの現場から得られる満足感は、DVDやYouTubeの動画を何十回再生しようが得ることはできない。

DVDで観る方が、はるかに便利だ。再生環境さえあればいつでもどこでも、何度でも楽しめる。コンサートを物理的に観に行くのは、場所や時間の制約があるし、手間がかかる。疲れる。しかも、DVDのように間近で鮮明に見ることはできない。その上でも、 アイドルたちと場を共有して、一緒に盛り上がって直に応援するという体験には、録画された映像作品よりも高い価値があるのだ。

ただ、どうやら一般的に、コンサートやイベントというのは入場料だけでは儲からないらしい。何かの本で読んだし、実際仕事でイベントの開催に関わったことのある友人からも聞いたことがある。で、どこで儲けるかというと、グッズだ。グッズに稀少価値や記念性を持たせて、何かしらは買っておきたいと思わせる主催者のやり方は、うまいと思う。

2012年1月18日水曜日

偉い人、面白い人、正しい人(書き起こし)

※2012年1月14日(土)に慶應義塾大学 古石研究会の合宿で、ゲスト・スピーカーとして話した内容を、記憶を元に、補足しつつ文章にしました。

◆ これから何について、なぜ話すのか?

夕食前に相応しく(注:夕食前の最後の発表だった)、難しい話ではありませんので(笑)、肩の力を抜いて聞いてください。

私からは「偉い人、面白い人、正しい人」という題名でお話をさせていただきます。この題名は、「どのような人が人に影響を与え、人を動かすのか?」という問いに対する、私の答えです。

なぜそんなことをお話ししようと思ったのかを説明するために、コミュニケーションとは何かという話から始めます。

コミュニケーションというと「伝達」という言葉にあるように、自分の言いたいことを相手に伝えることを思い浮かべるかもしれませんが、これでは不十分なのです。

相手に影響を与え、とって欲しい行動をとってもらう。そこまでを達成して、はじめてコミュニケーションが成功したと言えるのです。これは杉田敏さんの『人を動かす!話す技術』(PHP新書)という本に書いてあって、大学時代に読んだのですが、今でも印象に残っています。

みなさんが日頃作成するレポートや論文も、一種のコミュニケーションです。もちろんレポートや論文は、単位をとるために書いていると思います。でも、自分の情熱や時間を注ぐからには、単位取得にとどまらない、何かしらの成果を出せた方がよいのではないでしょうか。それは、相手に読んでもらい、相手に何かの影響を与え、あわよくば行動させるというということです。

つまり、先ほどの問いへの答えを探ることで、みなさんのレポート作成、論文執筆に役立つお話をしたいのです。

ご存じと思いますが、説得の三要素というものがあります。それらはEthos、Pathos、Logosの三つです。それらと完全に合致はしないかもしれませんが、私なりにそれぞれの要素を、人として目指すべき方向性に翻訳すると、「偉い人」、「面白い人」、「正しい人」になるのです。

説得の三要素(アリストテレス) 
方向性
Ethos(権威)
偉い人
Pathos(感情)
面白い人
Logos(論理)
正しい人

それぞれについて、説明していきます。

◆ 「偉い人」にはあやかりたい

なぜ「偉い人」は人を動かすのか。それは、私たちは「偉い人」にあやかりたいからです。

私は会社で働いて7年目ですが、「偉い人」の影響力は痛いほどに感じています。

たとえば、自分がAという部署の担当者(平社員)で、Bという部署に何か仕事の依頼なり問い合わせをしたいとします。

自分から、部署Bの担当者(平社員)に打診すると、「できません」と言われる。もちろん、日頃からやっていることであれば問題ないですが、通常の流れから外れることだと相手は難色を示す。

でも、自分の上司(マネージャー)が、部署Bのマネージャーに同じ依頼や問い合わせを行うと、「できる」ということになる。

あるいは、自分から部署Bのマネージャーに打診すると「できる」と言われる。そのマネージャーは部下に「やれ」と指示して、担当者はやる。

こういうことは、会社にいると周りで日常的に起きています。つまり、同じ発言でも、平社員が言うのと、課長が言うのと、部長が言うのと、社長が言うのでは、意味や効果が、まったく異なるのです。

M君が頷いていますが(笑)。(※M君は卒業生で私と同期だった。今は公務員。)

(M君「これは、よく分かります。しょっちゅうありますね。」)

発言は内容だけが独立して存在しているのではなく、常に、誰が誰に伝えるかと一体なのです。『論より詭弁 反論理的思考のすすめ』(香西秀信、ちくま新書)という本に、そういうことが書いてあります。

なぜ、人は「偉い人」の言うことを聞くのでしょうか。それは、「偉い人」は金、権力、権限、権威と密接につながっているからです。私たちは、彼らにコバンザメのようにくっついて行くことで、その恩恵を受けたいのです。会社であれば出世ですね。上司に気に入られれば、自分も引き上げてもらえる可能性は高まります。

大学の場合だと、「偉い人」は教授ですね(笑)。単位の付与や成績の決定という権力を持っているからこそ、「何文字で、いついつまでにこういうレポートを提出しろ」と指示して、人を従わせることができるのです。

みなさんは、ほとんどの場合、レポートを好きで書いているわけではありませんね。単位をもらうために書いています。もちろん、本当に興味を持って書いている場合もあるでしょう。でも、文字制限や期限は、自分で決めてはいません。

守らなければ単位を落とされる恐れがあるから、みなさんは教授が課した文字制限や期限に従うのです。

ところが、「偉い人」の言うことは、みんなが納得しているとは限らない。みんな「偉い人」を前にすると表向きはペコペコしますが、腹の底では何を考えているか分かりません。本人がいないところでは、悪口を言いまくっているかもしれない。

「偉い人」は、偉さの元になっている金、権力、権限、権威を失えば、一気にそっぽを向かれる恐れがあるのです。「偉い人」の影響力は、その人が偉いという、ただそれだけに依存するのであって、内容が人を動かしているとは限らないからです。

2012年1月15日日曜日

偉い人、面白い人、正しい人(配布資料)

(2012/1/14、慶應義塾大学古石研究会合宿で話したときの配布資料)


1.     どのような人が人に影響を与え、人を動かすのか?

「コミュニケーション」とは何か?
×自分の言いたいことを伝えること
○とって欲しい行動を相手に取らせること
→人を動かして、はじめて「コミュニケーション」と言える(杉田敏、『人を動かす!話す技術』、PHP新書)

説得の三要素(アリストテレス) 
方向性
Ethos(権威)
偉い人
Pathos(感情)
面白い人
Logos(論理)
正しい人


2.     「偉い人」にはあやかりたい

仕事の依頼や問い合わせ
部署Aの担当者→部署Bの担当者 「できません」
部署Aのマネージャー→部署Bのマネージャー 「できる」
部署Aの担当者→部署Bのマネージャー「できる」「やれ」→部署Bの担当者 「はい」

同じ発言でも、平社員が言うのと、課長が言うのと、部長が言うのと、社長が言うのでは、意味も効果も大きく異なる!(香西秀信、『論より詭弁 反論理的思考のすすめ』、ちくま新書)

(^o^) o(金、権力、権限、権威に人は正直!)

(>_<)o(表面上は服従しても、陰では悪口を言いまくっているかも?)


3.     「面白い人」の言うことは気になる

書店でどんな本を買いますか?

 
関心
購入
最後まで読む
偉い人の書いた本
面白そうな本
正しそうな本

「メディア・リテラシー」「批判」「論理」は一つの正しさを追い求め、既存の考えを破壊するが、新しい考えは生み出さない。「正しさ」だけでなく「面白さ」が必要!(パオロ・マッツァリーノ、『つっこみ力』、ちくま新書)

(^o^) o(自発的に「やってみよう」と思ってもらえるかも!)

(>_<)o(「面白さ」には強制力がない。面白いからといって行動するとは限らない)


4.     「正しい人」には逆らえない

NHK「受信料支払いは義務です」「NHKは皆さまからの受信料で支えられています」

論理は、価値観を共有して初めて意味を持つ

Welfare:福祉(平等)
Freedom:自由
Virtue:美徳
Michael Sandel, Justice: What’s the Right Thing to Do? Penguin 邦訳:マイケル・サンデル(著)、鬼澤忍(訳)、『これからの正義の話をしよう』、ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

(^o^) o(逆らったら「悪い人」になるから従わざるを得ない!)

(>_<)o(「正しさ」は一つじゃない。「正しい」からといって相手が心から納得するとは限らない。スキを見せればここぞとばかりに攻撃されるかも)

Discussion

レポート・論文を「偉く」するには?
レポート・論文を「面白く」するには?
レポート・論文を「正しく」するには?

ありがとうございました。