2012年8月21日火曜日

2012年8月15日~21日 日記

2012年8月15日(水)

・四月まで私が勤務していた事業所で、ある従業員が自殺したとの知らせが友人から入った。非常階段からの飛び降り。朝の9時過ぎに、喫煙所の近くにどさっと落ちてきたらしい。一面血だらけで、警察が現場検証。派遣業者も来ててんやわんやだったらしい。

・サッカー日本代表親善試合「日本対ヴェネズエラ」をテレビで観た。試合そのもの以上に、TV中継に醒めた。いつものことではあるが、スター選手たちの顔の大写しと過剰なリプレイの連続。日本のTV局は、いつまでたってもここから進化してくれない。

2012年8月16日(木)

・THE NORTH FACEで、登山用の靴を買った。最初は、ハイカットで底が硬くてごついブーツを想定していたが、店員さんに相談した結果、ローカットとハイカットの中間の、スニーカーっぽいのにした。店員さん曰く、

1.ブーツが必要になるのは、何十キロもの荷物を背負って泊まりがけで行くような場合。2000メートルくらいの山に日帰りで行く程度なら、スニーカータイプでOK。

2.富士山もスニーカー型でOK。慣れた人はローカットでも行ける。

3.登山靴を履くときは、かかとを下にして足を立てた状態で紐を締めていくのがよい。そうすると均等に足を締めることができる。(この方法って、普段の靴でも使えそう。)

2012年8月17日(金)

・長瀞がすごくいいところだった。カヌーに乗った川下りがすごく気持ちよさそうだった。やらなかったけど。

・御花畑駅近くにある「野さか」の豚みそ丼が、めちゃくちゃうまかった。絶妙の味付けだった。平日限定の「激辛」というのにしてみたら、容赦なく辛かった。

・バスで移動し、登山コース近くの民宿「登人」に宿泊した。80歳(本人談)のおばあちゃんが一人で切り盛りしている。異常に元気な方。二回停電した。夕飯はとてもおいしかったが量が多すぎた。半分でよかった。2時間ほど降り続けた激しい雷雨が明日の登山への不安を煽った。

2012年8月18日(土)

・坂本から「八丁尾根コース」で両神山山頂まで。下山は別ルート。「八丁峠コース」で、日向大谷へ。朝7時半から夜6時10分まで。7時間半のコースらしいが11時間近くかかった。体力的にきつかったのと、あと悪条件だった。昨日の大雨で川の水量が多かったのと、岩場が滑ったのと、登ろうとしても崩れ落ちてくる場所があったのとで、大変だった。鎖場といって鎖につかまって上り下りする急勾配が約30箇所。山頂にたどり着いた時点で体力をすべて出し切った実感があった。膝が笑うというのがどういうことか、身体で理解した。上級者向けコースだけあり、もし足を滑らせたり腕をふんばれなくなったりしたら死にかねない場所がいくつかあった。

・すべては数秒間の出来事だった。登山も終盤。残り約500m。上の方、進行方向の左側から、何やらガサガサと音が。人かと思ったら音がおかしい。ゴロゴロとドスドスを足したような音。黒い塊。雰囲気異様。顔が見えて、獣だと分かった。私の方向に、転がり落ちるように突進してきた。思わず大きな声をあげてしまった。

・何とかぶつかるのを避けようとしたが、10時間以上過酷な登山道を歩いており足が限界で、思うように動けず、腰が抜けたように倒れ込んでしまった。次の瞬間、顔を上げたらもういなかった。前にいた友人の証言によると、私たちの進行方向とは逆の方向に走り去って行ったらしい。人生で、ここまでの恐怖を感じた記憶はない。攻撃は受けなかったが、人生で一番死に近づいたかもしれない。

・一緒にいた友人に確認したら、熊だと言っていた。おそらくそうなのだろう。でも人生で一度も熊を見たことがなかったので、確証は持てない。

・装備と準備は整えてきたつもりだったが、熊への準備はできていなかった。正直に言うと、山で熊が出てくるというのは私にとっては絵本の世界であって、現実に起きるというのが想像の範囲外だった。どうやら、かばんに鈴を付けておくべきだったようだ。音を鳴らしながら歩くことで、熊に人間の気配を知らせるのが遭遇を避けるには重要らしい。自分の無知を恥じるしかない。しかし、仮に鈴を付けていたとして、本当にあれが防げたことなのかどうかは分からない。

・色々なことが起き得た。私は、熊に攻撃されていたかもしれない。崖から落ちていたかもしれない。大怪我もしくは死んでいたかもしれない。運がよかった。本当に。

・熊が通ったところに、たまたま私たちが通りがかったのだろうか? それとも、私たちをめがけて走ってきたのだろうか? 熊が移動するのを見たことがないので分からないが、あれは猛突進という感じで、常にあの動き方をしているとは思えなかった。

・残りの道は、気が気ではなかった。あの小熊が戻ってくるかもしれないし、親熊が来るかもしれない。親熊が来たら終わりだ。というか、そもそもあれが小熊なのかさえ分からない。二人してiPhoneでアラーム音を最大音量で鳴らしながら、早足で歩き抜けた。膝がガクガクでまともに歩けなかったのに、熊に教われそうになってからは「火事場の馬鹿力」的な力がわいてきた。

・無事下山したときは、安堵のあまり、泣けてきそうだった。一緒に行った友人が楽観的でけろっとした奴だったので、帰りのバスでは既に笑い話になっていた。親には「無事、下山しました」とだけメールを送った。何事もなかったかのように友人と別れ、小川町に戻り、家近くの温泉に入った。露天風呂でラムネを飲んだ。

・寝る前に枕元で「モーニング娘。のオールナイトニッポンモバイル」第25回を再生した。いつもの布団に横たわり、この平和な番組を聴いているのが、不思議だった。

・人は外に出て活動する限り、常に死と隣り合わせに生きている。山や海はもちろんのこと、駅でも、道でも。

・人がよく通る有名な山やコースは、道が舗装されておりコースが野生の世界とある程度切り離されている。安心できる代わりにつまらない。コアな山やコースは、自然そのもののような歩き応えを味わえる反面、危険が伴うし誰かが助けてくれる可能性も低くなる。

2012年8月19日(日)

・昨日あれだけ無理な運動をしたのに、6時くらいにすっきり目が覚めた。筋肉痛はあるが、出かけられそう。膝も普通に歩く分には問題なさそう。よかった。今日は池袋にハロコンのライブ・ビューイングを観に行くのだ。夏休みの締め。

・℃-uteのコンサートBlu-ray「2012年春夏 美しくってごめんね」を観た。「憧れMy Star」で各メンバーの大写しをしているためLEDを活用した演出が十分に伝わって来ないのは残念だった。現場で観たときのあの感嘆はこんなものじゃなかったんだから、と少し歯がゆかった。ただ、細かい部分まで見られるのは映像作品ならではのよさだから、これはこれでよいのかもしれない。



・池袋に向かう電車の中で、昨日の熊の件が頭をよぎった。なぜか、数年前に亡くなった祖父の顔が脳裏に浮かんだ。おじいちゃんが守ってくれたような気がした。

・電車で端の席に座っていたら、すぐ横に立っていた淑女が汗臭すぎて、耐えきれず途中から席を離れた。たしかに夏だけど、まだ午前中だぜ。K DUB SHINEがキングギドラの「F.F.B.」で放った「汗くせえ上に酒くせえ」という歌詞を思い出した。しかし、この不快さを味わうことが出来るのも生きていてこそ、と思うと可笑しくなってきた。



・「逸品火鍋」の回鍋肉にクミンが入っているのに気付いた。

・私は昨日の帰り道、あのまま死んでいたら悔やんでも悔やみきれないと思った。つまり、自分はこのまま死んだら後悔する人生を送っているということが、分かった。食いたいもん食って、言いたいこと言って、やりたいことやって、行きたいとこ行く。いつ死んでもおかしくないんだから。

・池袋の某喫茶店。ここの接客は、嫌いだ。相手は学生バイトと分かっているのだが、いらついてしまう。バイトたちは元気よく頑張っている。Managementがshitなんだろうと思う。

・若いときにロボットのような仕事ばかりしていたら、たぶん一生、末端の作業者にしかなれない。駒。そしてきっと、ロボットに仕事を奪われる。

・この体験談が、昨日、私たちが経験したのに近い。読む限り、私が昨日遭遇したのは親熊だったっぽい。

大ナゲシ~赤岩尾根~両神山(八丁尾根) 熊さんが自分めがけて凄いスピードで走ってきた。 (無雪期ピークハント/縦走 / 奥秩父)

・池袋のシネマサンシャインでハロコンのライブ・ビューイングを鑑賞した。道重さゆみが可愛かった。コンサート頭の「ももち!許してにゃん体操」でいい歳したおじさんたちが嗣永氏に合わせて嬉しそうに「にゃん!」と叫んでいて笑ってしまった。司会のまこと氏が登場した際、シャツの右襟がジャケットからはみ出していたが次に映ったときには直っていた。映画館は立ち見禁止だったのか知らないがみんな座っていてじっくり快適に観られた。騒ぎたい人は後ろの方に固まっておりハロヲタの民度の高さに感心した。池袋の客層は、私と同じくらいの年齢の男性、もっと上の男性、中高生くらいの女性、じっちゃん、等幅が広かった。スマイレージのメンバーたちが少し見ないうちに垢抜けていた。コンサート中の印象的な発言をいくつか:「つんくさんは一日中Twitterをやっている印象がある」(鞘師)、「格好いいですよね、道重さんの加工された声」(光井)、「(嗣永は)不細工だけど面白いから好き」(田中弟。田中れいな談)。

・瀧本哲史氏のこのツイートが、ぐさっと来た。組織に順応=昇進と仮定し周りの人間サンプルを思い浮かべると・・・。

2012年8月20日(月)

・残業したときに、家と会社が近いことのありがたさが身に沁みる。7時過ぎに出社して、3時間残業して、7時過ぎに会社を出て、9時過ぎに布団に入れた。

2012年8月21日(火)

・処理能力と、思考能力は別。仕事の経験を積み重ねても、思考能力が高まっていくとは限らない。